アイフリーク 伊藤幸司社長インタビュー

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最新投稿日時:2012/07/06 09:00 - 「アイフリーク 伊藤幸司社長インタビュー」(みんかぶ株式コラム)

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アイフリーク 伊藤幸司社長インタビュー

投稿:2012/07/06 09:00

大きなチャレンジが実を結び、新たなステージへと向かう

スマートフォンの普及により、モバイル業界が大きな転換点を迎えている。デコレーションメール(デコメ®)のパイオニア企業であるアイフリークも同様だが、この大きな転換期に対応するため、いち早くプラットフォームビジネスへと舵を切ったのはこれまでにも紹介してきた通りだ。新たな戦略の下で「ココゲー」「こえほん」といった具体的な成果も出始め、今後の成長への期待が高まる同社の代表取締役社長・伊藤幸司氏に話を聞いた。

 
──12年3月期の連結決算は売上高20億3300万円、営業損益3億7400万円の赤字でしたが、主な取り組みなどをお聞かせください。

伊藤 以前もお話ししたように、当社の属するモバイルコンテンツ業界は、スマートフォンの普及が急速に進み、従来型のビジネスモデルが成り立たなくなっています。従来型の携帯電話のコンテンツでは、キャリアの作った枠の中で顧客を獲得して、サービスを提供してきたので、しっかりとした顧客基盤とはいえませんでした。スマートフォンはパソコン同様、インターネットの世界の勝負なので、プラットフォームで顧客と接点を持ち、そこで新しい価値を提案する必要があります。そこで当社は、独自のプラットフォームを作って、顧客に新しい価値を提供し、独自の顧客基盤を作ろうという戦略をとっています。

──具体的にはどういったことでしょうか。

伊藤 一つは、当社が得意とする「デコメーション」の分野で引き続き「スグデコ!」に取り組みました。スグデコ!とはキャリアの公式アプリにデコメ®を無料で使える環境を搭載したもので、現在約80万ダウンロードを数えており、さらなるユーザー数の拡大が予想されます。また、スグデコ!からデコメを追加購入できる「Deco STORE」を運営しており、安定的な収益モデルも構築しております。次に前期からの新たな取り組みとして「ココゲー」というプラットフォームを作りました。これは他社のソーシャルゲームよりもカジュアルで、しかも当社が重要視しているコミュニケーションの取れるプラットフォームとして作ったものです。スマートフォンに搭載されている位置情報を活用して、ゲームを楽しむユーザー様の地域ランキングを可視化し、ユーザー様に「ここでナンバーワンになってやる」というような気持ちになっていただこうという仕組みです。そして三つ目が「こえほん」という電子絵本アプリです。

──「こえほん」とはどういったサービスですか。

伊藤 家族をはじめとするコミュニケーションに特化したアプリです。デモとして、ナレーターの声も入っている電子絵本ですが、親が声を吹き込む、あるいは子どもが吹き込んだものを残すことができるという機能をつけ加えて、より新しい絵本のかたちが生まれました。芸能人とのコラボレーションや海外展開なども積極的に行っており、独自コンテンツの供給できるライブラリーを持つプラットフォームとして、今後も力を入れていきたいと思います。

──世界規模でのモバイルマーケットへの進出も掲げていましたが、その進捗状況はいかがでしょうか。

伊藤 昨年5月にシンガポール子会社を設立しました。第1弾、こえほんの海外展開として、英語版「PICVO」を展開しております。また、中国市場でキャラクター・イラストのライセンス事業も展開しております。まだ海外事業は投資が先行する段階ですが、革新的な取り組みなので、引き続き投資をしていく考えです。

──Eコマース事業は苦戦しているようですが。

伊藤 当社が販売している美容・健康商品の分野では、薬事法や景品表示法の規制強化で大きな転換が必要とされています。当社でも一部商品の廃棄など昨年度は、経営環境が非常に厳しかった状況です。ただし、スマートフォンの普及により、Eコマース市場は、商品の選びやすさ、買いやすさという点で、飛躍的に伸びる余地がある分野だと認識しております。当社は、卸事事業に強みを有し、また、多くのお客様と多様な販路を持った流通の仕組みを持っているので、まずはB2B事業に特化して事業の構造改革を行い、収益化を図ろうと考えています。

──業績について前期は投資フェーズということでしたが、今期はまだ投資フェーズでしょうか。

伊藤 スマートフォンの普及で、モバイルコンテンツ業界が大きく変化している中、そこで勝ち残るためには引き続き投資が先行することを、株主や投資家の皆様にはご理解いただきたいと思います。13年3月期は前期の赤字決算から収益トントンまで業績を回復させる見通しですが、中長期を見据えて、今の時期が未来の資産形成において非常に重要な時期であるという認識のもと、積極的に投資を行っていきたいと思っております。また、現在の投資活動が今後大きな成長へつながると信じております。未来に向かって夢のあることにチャレンジしていますということをご理解いただき、ご支援いただければうれしいです。

──ありがとうございました。

伊藤幸司(いとう・こうじ)
宮城県出身。1994年明治大学経営学部卒業後、伊藤忠商事入社。2004年株式会社フラクタリスト入社、COOとして株式公開を果たす。2007年株式会社アイフリーク入社、翌年取締役に就任。2010年代表取締役に就任。創業者である取締役会長永田より代表のバトンを受け取り激変するモバイルビジネスに取り組んでいる。
 

配信元: みんかぶ株式コラム

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