帝人［東１］（3401）が高値更新、高強度の産業用繊維の需要拡大

　帝人［東１］（3401）は、21日に38円高の2510円と反発し、11月7日につけた年初来の高値2498円を更新しました。

　20日付の日本経済新聞朝刊が「同社は自動車など向けに強度や耐久性に優れた高機能繊維を増産する。オランダの工場に約250億円を投じて設備の入れ替えや新規のプラントを導入し、生産能力を約4割引き上げる。高強度の産業用繊維は自動車やインフラ分野の需要が拡大している。」と報じたことを材料視した買いが入りました。

　アラミド繊維は、引っ張り強度が鋼鉄の６倍と高く、耐熱性も高い繊維で米デュポンと帝人の２社が世界シェアを二分、足元で需給が逼迫していることが注目されているようです。

　四季報新春号では、今3月期会社計画の上ブレ、来3月期続伸・増配含みと観測しています。

　また、東レ子会社のデータ改ざんもあったことから、東レから帝人に資金が向かう傾向が高まった印象もあります。

　帝人の今期予想ＰＥＲは11倍台と日経225採用銘柄の平均15倍台に対して相対的に割安感がありますし、同予想配当利回りも2.39％と同平均の1.63％と比べても利回り妙味もあります。

　チャート的には13週移動平均線（2374円）がサポートし、需給面では信用取組倍率1.63倍の好取組となっていますから、今期予想ＰＥＲ15倍に買えると仮定した場合、2007年7月高値3405円前後まで上値余地が出てきそうです。

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