アイドマMC 蛯谷 貴代表取締役インタビュー【前編】

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最新投稿日時:2016/08/30 14:01 - 「アイドマMC 蛯谷 貴代表取締役インタビュー【前編】」(みんかぶ株式コラム)

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アイドマMC 蛯谷 貴代表取締役インタビュー【前編】

創業39年、
流通マーケのワンストップ支援を初めて実現!(1)

●蛯谷 貴(えびたに たかし)
株式会社アイドママーケティングコミュニケーション 代表取締役

前編keyvisual_aidma3_540x298
 
「流通小売業を成果へと導くマーケティング・スペシャリスト」を標榜するアイドママーケティングコミュニケーション <9466> [東証M]が、今年3月18日東証マザーズ市場に新規上場した。同社は、統合型販売促進支援という画期的なビジネスモデルで順調な成長を続けており、市場での注目度も高まりつつある。主力の流通小売業販促支援における将来戦略や、間もなく本格参入する飲料・食品メーカー向け支援事業の今後の展開について、創業39年を迎えた同社の蛯谷 貴 代表取締役にうかがった。

――流通小売向けマーケティングでピンとくる投資家は少ない。ズバリ儲かりますか。

蛯谷 流通小売業といっても多種多様ですが、当社はスーパーマーケットやドラッグストアなどのチェーンストアを顧客に、プロモーション(販売促進)業務のサポートを行っています。主要なスーパーやドラッグストア上位50社の売上高合計は約18兆5,000億円で、これに平均販促費率1.5%を掛けると、当社事業の推定潜在市場規模は2,775億円程度でしょうか。

 この市場に対して当社はまだ3%程度のシェアにとどまっており、今後拡大する余地は十分にあります。チェーンストアのプロモーションは、基本的にエリアマーケティングが主で、折込広告を中心とした企画提案力が重要となっています。最近は、大手流通グループを中心にオムニチャンネル化を進める動きや、ECサイトの立ち上げなども多く見られますが、ネットでの成功例はまだ限定的です。

――流通小売業の競争は熾烈です。クライアントから何を求められていますか。

蛯谷 スーパーマーケットを例にとると、過酷な出店競争や少子化による市場規模自体の伸び悩みといった業界環境の変化に加え、コンビニエンスストアやドラッグストアなど異業種小売店との競合も激化しており、集客環境は年々厳しさを増しています。新規出店余地が狭まるなか、いかに既存商圏で異業種を含む近隣店舗に打ち勝つか、という局面に、競争の焦点は移っているのです。

 こうした大きな環境変化のなかでは、消費者ニーズを的確にとらえた魅力的なプロモーションを展開するマーケティング能力が勝敗を分けることになります。いかにして消費者から支持される店舗づくりを進めていくかが重要で、従来の「売り場の論理」から「買い場の論理」へと転換していかなければ、消費者から支持されて生き残るのは難しいでしょう。だからこそ、その販売支援サービスをプロとしてワンストップで提供できる当社の存在価値があるわけです。

――オンリーワンの競争力の秘密を教えてください。

蛯谷 私どもは創業以来39年間、流通小売領域に特化して販促支援事業を展開してきました。最初は小さな個人事業だった当社が、現在に至る飛躍のきっかけを掴んだのが1995年。デジタル化の大きな波が到来したことを契機に、「ARSS(アイドマ リテール サポート システム)」と呼ぶ、他社にない販促支援モデルを確立できたのです。スーパーやドラッグストアにおいて必要とされるプロモーション経験を積んだスタッフが、プロとしてクライアントの販促部に常駐し、スーパーのスタッフと価値観を共有しながら、クライアントの方針に沿って協力し繁栄を目指して活動する仕組みです。

 具体的には、専任のマーケッターがPOS(販売時点情報管理)などのマーケティング・ビッグデータを分析し、各種商品の適切な価格設定や購買層、売れ筋などについて仮説を立て、それに基づいた企画を、常駐スタッフとともにクライアントに提案します。スーパーのバイヤーは、鮮魚、精肉など自分の担当する専門分野についての知識は極めて豊富ですが、主婦層の間でどんな料理が流行っているのか、といった情報には、必ずしも精通していません。毎日買い物をする主婦層が好む食生活のニーズや流れなどを、バイヤーが十分に把握し切るというのは、実際にはなかなか難しいのです。

 我々はPOSデータや商圏データ、家計調査データのほか、独自のIT調査、トレンド情報などさまざまなビッグデータの分析結果を基に、主婦の目線でマーケティングの仮説を立てていきます。データに裏付けられた「何を・いつ・いくらで・どのように売るのか」といった提案は、バイヤーたちの心に良く響きます。

――ビッグデータを活かし切れない企業も多いと聞きます。

蛯谷 一時「ビッグデータ」はひとつのキーワードとなり、その有用性について議論が盛り上がりましたが、ビッグデータで膨大な数値が提示されても、その数値の意味を読み取る分析能力がないと役に立たないケースも多いのが実情です。マーケット・ビッグデータを適切に読み取り、分析し、仮説を立てるマーケッターの能力次第ということになります。

 当社はマーケティング会社として、独自にビッグデータの分析システム「アイドマ ビッグデータ プラットフォーム」を構築しています。マーケティング力が問われるようになった今の時代、PDCAサイクルを回しより良いプロモーションを行うためにも、数字に基づく適切な仮説を最初に設定しておかなければなりません。さらに、仮説やその裏付けとなる指標は、クライアントとの共通言語として使えるよう、分かりやすく、かつ現場のニーズに沿ったものである必要があります。当社もまだまだ完全とは言えませんが、これらの条件を満たす分析を目指し、改善を重ねています。

――顧客の要望にきめ細かく対応できる仕組みを整えているわけですね。新規顧客の開拓も順調ですか。

蛯谷 一から十まで全てに対応可能な「統合型の販売促進支援事業」は競合他社にない独自のものです。競合他社の多くは、下請けのデザイン会社やデータ分析専門会社に実務を任せる仕組みですが、当社ではスーパーやドラッグストアのプロモーションを熟知したスタッフがクライアント先に常駐し、MD提案の部分から深く関与しています。オペレーションの水準が、競合とは全く違うのです。加えて、大量・多様なデータ群を熟練のマーケッターが専用のデータベースと分析システムを用いて読み解くことで、バイヤー会議などでもそのまま活用できる企画提案を提供しています。データの分析などは全て社内で行っているため情報漏洩などの心配も無く、コスト面でもかなりのメリットがあります。

 こうした当社の魅力を真摯に説明すれば、多少時間は掛かるものの、新たなクライアントの獲得は困難ではありません。成長余地は十分にあります。今後は、年間1~2社の新規クライアント獲得を通じ、事業を全国に拡大していく方針です。現状数社のスーパーマーケット、ドラッグストアと商談が進んでおり、特に西日本エリア一帯については5月に開設した福岡支社を要に、新規開拓に注力します。また、常駐する当社スタッフによるクライアントへのキメ細かな対応もあって、既存の顧客と良好な関係を長期継続していることも強みです。「一地域一業種」を原則に、そのエリアでの勝ち組づくりに貢献できるよう、能動的にクライアントを選択しています。
 
 
【インタビュー後編に続く】
 

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●蛯谷 貴(えびたに たかし)
株式会社アイドママーケティングコミュニケーション 代表取締役

1953年4月1日生まれ。富山県富山市出身。大学卒業後、地元・富山市での会社勤務を経て1977年、独立。流通小売関係のプロモーションを手掛ける個人事業を立ち上げ、1979年に株式会社「アイドマ」を設立、代表取締役に就任。

1995年、業界に先駆け制作工程のデジタル化に踏み切り、1998年には独自の統合型販促支援モデルを確立。全国にクライアント網を拡大し、2016年3月、東証マザーズ市場上場を果たす。趣味はゴルフで、シングルの腕前。

配信元: みんかぶ株式コラム

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