一六堂(3366)

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最新投稿日時:2014/07/17 14:45 - 「一六堂(3366)」(みんかぶ株式コラム)

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一六堂(3366)

著者:有賀 泰夫
投稿:2014/07/17 14:45

米国市場の強さに刺激されて、東京株式市場も高値圏で頑強な動きです。もちろん、素直に高値を抜けてこないのはアベノミクスの第3の矢である成長戦略の成行きを見ているということでしょうか。

さて、年初来のトレンドから言えば、内需小型系にやや一服感があり、主力株が比較的強い動きです。ただし、主力株は全体が動き出すと上へも下へも同時に動きますので、なかなか個別企業の事情からの対応は難しいところがあります。それよりも、個々の企業の業績事情からの銘柄で選別のほうがより確実性は高くなります。

そんな一つのアプローチで、マーケットの無知、あるいは考え違いを見抜いて逆張りで行くという方法は個々の企業の業績事情に精通していると、極めてリターンが取りやすい手法になります。少し前の当欄で紹介した日特エンジニアリング(6145)はまさにそんな株でした。
https://money.minkabu.jp/44927

5月初旬に同社の減額修正記事が出て、株価が大きく売られた局面で当欄にて取り上げました。この会社は受注企業ですから、業績に受注が先行します。この時は業績の減額修正記事でマーケットはびっくりして株価が大きく下げたのですが、受注は完全に底打ちしており、次期の業績予想は間違いなく増益ということは読めていましたので、大幅に下がった局面で強力推奨しました。

直ちにこの記事に気付けば800円台前半で買えているはずで、数日で900円台になり、その後1,000円台に乗せています。

さて、今回は決算発表で実際はかなりいい状態であったにもかかわらず、知識がないと悪く見える面もあったため、株価はその後大きく下げて年初来安値近辺まで来ている一六堂(3366)に注目してみたいと思います。

この会社はやや高級価格帯の居酒屋で、昨年は販売促進の失敗で業績が大きく落ち込んでいました。しかし、販売促進策の見直しもあり、昨年末からやや回復傾向になり、前年同期比でも今期からは増益に転換しています。

第1四半期の決算は0.3%増収、9.1%営業増益、16.3%経常減益、27.0%純利減益でした。株価は決算発表前まで業績回復を見込んで15%程度上昇していましたので、その後失望売りが出ました。ぱっと見、営業利益は9.1%増益で、上期計画の13.8%営業増益を下回っていますし、経常利益は減益ですから、あまりよくないと感じてもおかしくはありません。また、それまでに期待感があれば、がっかりするような内容だったかもしれません。

しかし、実際はこの数字は上期も通期も大幅に増額修正となる可能性が十分感じられる内容だったのです。上期の営業利益は13.8%増益ですが、その額は1.4億円です。それに対して9.1%増益ですが、第1四半期で1.32億円出ています。どういうことかというと、去年の第2四半期は何と2百万円しか利益が出ていないのです。しかも第3四半期も12百万円です。

これは季節性というわけではありません。第1から第3四半期まではほぼ同水準の営業利益が出てもおかしくはないのです。単に去年の第2、第3四半期に業績が極端に落ち込んだということです。つまり、今のピッチで行けば上期は大幅増額修正が濃厚であると判断できるだけの数字が第1四半期で出たので。しかし、その辺りの事情を分からずに同社に投資していた人が、決算後の株価推移が芳しくないこともありり叩き売ったということでしょう。

なお、経常利益が減益なのは、昨年に営業外にあった為替差益がなくなったためで、第1四半期だけの特殊要因です。

バリュエーションもPBRが0.86倍、会社予想のPERが12倍台ですから、増額修正となれば、実際は10倍程度に過ぎません。

このように、株は適当に売買していると思わぬ罠にはまりますが、個々の企業の業績を良く見つめていると思わぬチャンスはいくらでもころがっているものです。

なお、同社は個室ユースの高級居酒屋ですから4月から始まった大企業交際費の益金不算入の恩恵を受ける可能性があり、その点でも実は今年注目される株の1社です。

配信元: みんかぶ株式コラム

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