●加藤産業 <9869>
―好実態+割安、上期決算にも期待!―
全般相場は膠着状態ですが、個別では入れ替わり立ち替わり買われている状況ですので、投資という面からは必ずしも悲観的というわけではありません。
ただし、グローバルには、米中の貿易摩擦や米国のシリア攻撃など世界経済にとってネガティブ要因があるため、物色対象は内需株が中心になっています。このようなリスク要因がある一方、カネ余りの状況には変化がありませんので、どうしても個々の銘柄の値動きは大きくなっています。
こんな時こそ、値動きではなく企業の実態価値を見極めて、極端に評価されている銘柄に手を出すことだけは避けなければなりません。業績が堅調でバリュエーションに割高感がなければ、痛手も被りませんし、着実に稼げます。場合によっては、地味な銘柄でも人気化して短期間に大きく上がります。
2月に当コラムで日用雑貨と加工食品の卸売業を紹介しましたが、日用雑貨卸のあらた <2733> 、PALTAC <8283> はこんな局面でともに史上最高値を更新しています。中でもあらたは直前に決算で大きく売られていた分、ほんの2ヵ月で40%を超える上昇となっています。
たとえ地味だろうが、人気がなかろうが、中身が良く、一旦人気化すると加速しやすいのが今の相場です。この時紹介した中では、上がってはいますが、日用雑貨卸ほどではない加工食品卸の加藤産業 <9869> には依然割安感があります。5月11日に発表される上期決算も期待できますので、決算後に注目される可能性が高いと考えられます。
(4月17日 記)
有賀泰夫(ありがやすお)
H&Lリサーチ代表。新日本証券(現みずほ証券)に入社後、アナリストとしてクレディ・リヨネ証券に転職。現三菱UFJモルガンスタンレー証券を経て、09年4月に独立して、H&Lリサーチを設立。ファンド向けアドバイスなどを行う。日本証券アナリスト協会検定会員。
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