IMM日本円の大口投機玉のポジションも上値を重くする材料
先週から懸念されていたシリア情勢ですが、米英仏による100発を超える空爆を行いました。その後、ロシアサイドの要請で緊急会合が開催されたものの、決議案が否決されたことやその後のトランプ大統領によるツイッターでの今回のミサイル攻撃の成功を強調するコメントは更に米ロ関係が悪化させる可能性があり、世界的にも緊張が走る可能性がでてきました。
今週は、そんな情勢悪化を横目に、日米会談が17日から2日間行われます。北朝鮮情勢を前面に話し合われることが予想されているものの、米国サイドとしては、2国間協定、つまり米国に有利なFTAに持ち込む可能性もあるだけに予断を許さないとみています。もしこのようなことが会談のテーブルにのるようなことがあれば、一気にリスクオフが加速するのではないかとみています。
■最近の地政学リスクや政治及び経済情勢が日増しに変化する中、今後を予想するような動きがでていました。
それは、金ETF残高です。
ちなみに、4月12日現在865.89トンとなっています。この数量は昨年6月以来の水準になっています。
今年の金価格ですが、1300ドルを底辺に約60ドルの上下運動を繰り返しています。
しかし、価格としては昨年から比べれば着実に底値を切り上げているのがわかります。このETF残高の積み上げはまさしく、「リスクオフ」を予感させるものであり、ドル円相場にとっては、上値が重く圧し掛かる材料ともいえます。
■最後にドル円チャートです。
日足ベースでは、週末の「トンカチ」ともいえるチャートをつくりました。
週明けのドル円の重さを象徴する動きになっています。
一方、シリア空爆によって、週明けからギャップダウンが出る可能性もあり、週末のトンカチを更に短期天井と思わせる動きを仕掛けてくる可能性もあります。
そのため、先週安値レベルに逆指値の売り注文をおきたいと考えています。
また、先週もお伝えしましたが、IMM日本円の大口投機玉のポジションはほぼフラットになったので、この辺りも上値が重くなる材料だと考えています。