IMM日本円のポジションは約1年ぶりに買い持ち
トランプ大統領の発言に対して鼻息を荒くしている中国サイドの行方も警戒は必要です。米国サイドとしては、関税自体は数ヶ月先を主張しているものの、最終的には話し合いで解決する方向を模索しています。しかし、中国サイドの報復対応は米国に有利なFTA(2国間協定)に持ち込まれることを恐れているようにみえます。
■もし、この貿易摩擦が悪化するようであれば、中国もリセッション入りし、世界的に景気の下り坂は避けられない可能性もありそうです。その意味ではリスク回避に傾きやすいのではないかとみています。
また、米国サイドとしても、この貿易摩擦激化は、自国にとっても不利なことは明白なはずです。先週末の雇用統計を見れば、かろうじて10万人増はキープしているものの、この数値が来月以降、これを下回るようであれば、金融正常化にも影響がるとみています。
■「今回の雇用統計結果」と「貿易摩擦問題」の狭間で、金融正常化を狙うFRBのスタンス、パウエル議長の悩みは簡単には解消せず、今後のFOMCにも影響が出そうです。
先月追加利上げをしたものの、市場予想ではあと2回の追加利上げをみています。
しかし、状況が変化し、リセッション入りすることを警戒するようであれば、追加利上げを中止せざるを得なくなることも頭の片隅に残しておきたいです。
米国の貿易赤字は、対日本でも中国同様、同じ扱いをされる可能性もあるので警戒したいです。また、今月中旬に、米財務省が為替報告書を公表することもあり、ドル円にとってはプレッシャーを受けやすい展開を予想しています。
■最後にドル円です。
先週もここでお伝えしましたが、IMM日本円のポジションも約1年ぶりに買い持ちに転じました。
これまで日本円のポジションは円売りに偏っていたものの、払拭されたことで、ドル円も下落しやすい環境になったのではないかみています。
また、日足ベースでは、指数平滑移動平均線(EMA)の50日線(4月6日現在:107.30円)が抵抗になっています。
今週の戦略としては、やはり、「戻り待ち売り指値(2月21日高値:107.92円)」と「ブレイク狙いの逆指し売り(4月3日安値:105.69円)」で考えています。