シカゴIMMは未だ大口投機玉はネットで 79,539枚の売り越し
しかし、FOMCでは予想通りFF金利が1.50-1.75%に引き上げられたものの、その後のパウエル議長が追加利上げに対して慎重な見方を示したことで「噂で買って、事実で売る」展開となりました。
更にトランプ大統領が中国に対して関税措置を発動したことで、米中貿易戦争に発展する恐れから、リスク回避の円買いが優勢となり一時、104.64円まで下落する場面もありました。週末としては後味悪い展開となっています。
■ドル円が104円台に突入したことで、1ドル=100円が現実味を帯びてきました。
先週末から既にニュースでは散々出ているトランプ氏の関税は、本格的に始動し始めました。特に中国に関してはこれまでの貿易赤字を全て解消するために、1000億ドル規模で削減を要請しているようです。
更に中国も報復方針を電話で伝えていることから、完全に米中貿易戦争がスタートしたと確信しています。それゆえ、この貿易戦争が激化することで、景気をはじめ株式市場も一気に下落するのは必至となりそうです。
昨年のトランプ大統領のメイン公約は、何と言っても「約30年ぶりの大型減税」でした。これも何とか成立させ、市場のムードは上向きとなりました。
■今年は、メインテーマは「貿易不均衡是正」と「北朝鮮問題」この二つだと考えます。
特に昨年もこの二つは取り上げられる機会が何度かありました。今年は中間選挙も控えているだけに是が非でも、やりぬくスタンスが伺えます。
もともとトランプ大統領は「アメリカファースト」を軸に、全てのことを変えるというスタンスであることはいうまでもありません。
そのヤリ玉に上がっているのが中国であり、今後もこの貿易戦争を皮切りに政治的にも不安定な状況が続くとみています。
それ故、「リスク回避」が相場的には主の材料になるだけに、相場の頭はいつも以上に重く感じるとおもいます。
中国の話ばかり目立ちますが、日本においても同じことが言えると思います。これまでの貿易不均衡を是正すると言う意味合いでは、米ドルを大きく下げる、対日本円では100円以下にするイメージはトランプ大統領に中にはある可能性があります。
もし、100円以下の相場水準になると言うのであれば、輸出企業おける業績の下方修正は必至です。更に、森友問題に関しても証言次第では麻生財務相辞任、その延長上で安倍総理も危うくなる可能性もあるだけに、国内問題も含め材料は全てそろい、更なる円買いが進行してもおかしくありません。
■最後に、ドル円です。チャートは日足では、3日連続の陰線、今週もし106.65円以下で推移するようであれば、月間足ベースで3ヶ月連続の陰線となります。
この3本連続陰線は・・・、
2016年2月~4月・・・121.10円~106.36円(約15円近い下落)3本連続陰線
→2016年5月・・・106.27円~110.71円(約4.5円の戻り)1本戻り陽線
→2016年6月・・・110.68円~103.29円(約7.4円の下落)→一時99.08円
つまり、3本連続陰線がついた場合、時間差はあるものの、下抜いてきますので、今週の動きは大注目になります。
また、シカゴIMM日本円においても未だ大口投機玉はネットで79,539枚の売り越しなので、こちらの投売りにも警戒したいです。