トランプ大統領の2期目の動向が全て?
先週のドル円は、大幅に円高ドル安局面となりました。株式市場は戻り局面になっているものの、このドル円に関してはその気配すら見えない週でした。年度末特有のレパトリ(外国に投資されていた資金を本国に還流)の動きや日米の財務相の発言、更にトランプ大統領のけん制発言が加わり、円買い要因が出揃った格好となり、一時105.55円まで下落する場面もあり、週末こそ何とか戻りはあったものの底が見えない展開となっています。
■これまでの当面のサポートとされてきた昨年の安値107.30円を突破したことで、流れが完全に円買い優勢となったのはいうまでも無い状況です。
やはりシナリオとすれば、トランプ大統領の2期目の動向が全てだと思っています。
先週も大統領は「対米貿易黒字国は貿易上の同盟国ではない」との発言で日本に対してけん制していることは確信ができました。また、貿易だけでなく、日本の軍事費や防衛費にも不満を出し始めているのが印象的です。つまり、「米国ファースト」でなければ、これまでの全ての条約もリセットするのがトランプ大統領の全ての狙いであることが最近の言動や行動に出ています。
となれば、少なからず日本サイドとしても、この円高の流れに関してはある程度は要因せざるを得ない状況で「円売り介入」の可能性は現時点では考えられません。
更に、チャート的にも最後の砦、昨年の安値を割り込んだことで、アジアタイムで下落が目立ち、押し目買いは全く見られず、むしろ「投げ」にもみえました。
■特に気がかりなのが、シカゴの日本円の動向です。
このレベルまで下落しても大口投機家が一向に投げていないのが特徴的です。ちなみに先週末現在の発表で11万5509枚の売り越しになっています。この売り越しこそが、更にドル円の上値を抑えているのではないかと思っています。
■最後に、今週のポイントとすると、21日のFOMC議事録と週末の日本の消費者物価指数だと思っています。チャート的には下ヒゲをつけたことで若干安心感があることで戻りを探す週になるのではないかと思っています。
イメージとしては・・・、
2月2日の高値110.47円と先週末安値105.55円に対する
23.6%戻り・・・106.70円
38.2%戻り・・・107.41円
目先は、先週末安値105.55円で逆指値の売りが有効になりそうです。