今週はイベント前でも乱高下する可能性が
■先週は、要人発言が飛び交いました。ムニューシン財務長官のドル安容認発言をはじめ、トランプ大統領の「最終的にドルは強いことを望む」といったドル円にとっては右往左往する材料が連呼されました。
そんな中、ダボス会議で黒田日銀総裁の「物価目標2%達成が間もなく」といった出口戦略を思わせる発言も相場的にはマイナス材料にとった一週間でした。結局、ドル円は、110円をあっさりと突破し、108円台に下落しました。
■今週はイベント前でも乱高下する可能性が・・・
今週は、週末の雇用統計を前に、一般教書演説やFOMCがあるのでいつも以上に神経を使う展開を予想しています。
更にチャート的には、下値目標として昨年の安値(107.30円)に接近していることもあり、これまで積み上げてきた数多くのポジションの投げ売りも予想できるだけに予断を許さない展開だと思っています。
特に、今年は昨年末に可決させた米税制改革を横目にトランプ大統領が標榜している米国にとってすべてが有利になる為替、および通商政策が世界的にも警戒を強めているのではないかと思っています。
そんな中、「ドル安」に関しては、貿易赤字国に対し貿易不均衡を盾に2国間協定に持ち込む可能性があるとみています。
先日のダボス会議でトランプ大統領がTPP復帰することを示唆しているものの、米国にとって有利なものでなければの条件付きであり、ある意味パフォーマンスにも感じます。
トランプ大統領はかつて不動産を中心としたビジネスマンであり、駆け引きという意味では各国の首脳陣は手を焼くに違いないと感じています。
■最後に、ドル円のチャートです。
日足ベースでは、先週の木曜日に下ヒゲの長い罫線を作ったものの、金曜日は木曜日の実態線を被せることとなり、改めてダウントレンドを誇張した先週末の取引に感じています。
今週はいずれにしても、昨年末の安値(107.30円)が最大の抵抗になるので要注意してトレードを展開していただきたいと思っています。
もし、それを下抜けるようであれば、月間足ベースのサポートラインを意識していただきたいと思っています。