安易な押し目買いは禁物
■今週のポイントは?
今週は期待されている「米税制改革の行方」の動向や米7-9月期GDP(改定値)に注目が集まります。
特に、トランプ大統領が早速、28日に開く昼食会で法人税率の大幅引き下げに関する協議を発表しているので何らかの手がかりが出ると思います。特に、下院は可決しているものの、今月中に上院は可決したい意向が見受けられます。
しかし、上院での定数が僅かしか上回っておらず、仮に造反する議員がいるとすれば可決が難航する恐れもあるので、未だ微妙な情勢であるとみています。それを踏まえると、最近の長期金利の低下は先読みし始めているのではないかとみています。
■ドルインデックスは「テクニカル上のダマシ」
その米ドルの強さを示す、ドルインデックスの動きは、下落トレンドもしくは持ち合いのゾーンへと変化しつつあります。日足をみると「逆三尊」を形成して、10月27日には95.00まで上昇したものの、先週から一気に急落しています。
特に、移動平均50日線に注目しているのですが、9月の終わりに一度、この50日線を上抜け、その後もこの50日線がサポートとして作用していましたが、今週そのサポートをあっさり下抜ける展開となりました。
つまり、この「逆三尊」はダマシになってしまったと言え、米ドルの不安要素がチャートに残り、12月を迎えます。
■ドル円も「50日線」が重要なライン
ドル円においても、この移動平均50日線が重要であったことがわかります。
先々週末、この50日線を下回り、更に先週の月曜日と火曜日の高値がこの50日線のレジスタンスとなっていることがわかります。112円が押し目の最安値とみた機関投資家のストップを招き、水曜日の急落に繋がっています。
つまり、この50日線は最近の重要なラインであることがわかります。
■一方、ユーロドルにもこの「50日線」が当てはまります。
春先から、テーパリングをキーワードに上昇トレンドが著しいユーロドルのチャートは、一旦、9月の終わりにこの50日線を下回りました。下抜けたことで、この「50日線」が反対にレジスタンスに変わり、先週このレジスタンスを上抜け、サイド上昇トレンド再開の見方をしています。むしろ、日足チャートでは「三尊天井」の見方が有力でしたが、先週の上昇によって、これが「ダマシ」になった可能性が高いとみています。
最後に、ドル円においては戻り待ちになる可能性が高いので、安易に押し目買いは禁物だと見ています。