イベントの谷間&日本三連休前だが、反発の可能性は心に留めておきたい
◆経済指標に一喜一憂も、終値ベースで114円台を回復
※ご注意:予想期間は11月3日と表示されていますが、本日(11月2日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。
FOMC(米連邦公開市場委員会)を控えていたこともあり、「米景況感の良し悪し」や「次回FOMC(12月)における利上げの可能性」に一喜一憂した一日となりました。
日経平均や米金利の上昇を受けた東京タイムのドル円はジワジワと下値を切り上げて114円台に到達。その後しばらくは値動きが乏しかったものの、米雇用統計“前哨戦”のひとつ、10月ADP雇用統計が+23.5万人と事前予想(+19.6万人)を上回ったのが好感されてドル買いが再開し一段高。一方でそのあとに発表された、同じく“前哨戦”のひとつである10月ISM製造業景況指数が58.7と前回(60.8)および事前予想(59.4)を下回ると失望感から114円割れを示現しました。
そしてイベント待ちでマーケットが膠着するなかで迎えたFOMCは、金利こそ(事前予想どおり)据え置きだったものの、声明にて、ハリケーン関連の混乱にもかかわらず「労働市場が引き締まり続け、経済活動は堅調に伸びている」との認識が示されました。これにより次回FOMCにおける利上げ実施の公算が高まったとマーケットは解釈。ドル買いが再開し終値ベースで114円台を回復する動きとなっています。
◆利益確定およびポジション調整目的のドル売りが先行しているが…
こうした流れを受け継いでの、本日の展開ですが、FOMCが終了した一方で明日に米雇用統計の発表を控える“イベントの谷間”、加えて日本の三連休前でもあり、リスク選好のドル買いは進んでおらず、むしろ利益確定およびポジション調整目的のドル売りが先行している印象です。FRB(米連邦準備制度理事会)議長の後任人事で、ハト派寄りとされるパウエルFRB理事を「次期FRB議長に指名へ」とされる報道が相次いでいることも、こうした動きを助長していると思われます。
◆“パウエル氏FRB議長に指名⇒一時的にドル売り⇒程なく反発”といった展開は期待できる…?
もっとも、当欄で何度か記したように「現在の米金融政策は正常化に向けて動いているだけに過ぎない」というのがFRBのスタンスであり、ハト派(ドル売り)とされるパウエル氏が議長になったとしても「大きな金融スタンスの変更なし」と連想するのは自然です。よってイベントの谷間&日本三連休前ではあっても、“パウエル氏FRB議長に指名⇒一時的にドル売り⇒程なく反発”といった展開は期待できる…? テクニカル的に目先の下支えとなる日足・一目均衡表転換線(113.704)での攻防がポイント…?
イベントの谷間&日本三連休前での過剰な期待は禁物とは思いますが、心に留めておきたいところです。
◆ドル円 抵抗・支持ライン
上値5:115.000(大台)
上値4:114.879(3/15高値)
上値3:114.690(ピボット2ndレジスタンス)
上値2:114.493(7/11高値、10/27高値、ピボット1stレジスタンス)
上値1:114.282(11/1高値)
前営業日終値:114.146
下値1:114.000(大台)
下値2:113.703(日足・一目均衡表転換線、10/31~11/1の38.2%押し、ピボット1stサポート)
下値3:113.602(11/1安値、10/31~11/1の50%押し)
下値4:113.465(10/31~11/1の61.8%押し)
下値5:113.272(10/31~11/1の76.4%押し、ピボット2ndサポート)
※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。
12:02 ドル円 抵抗・支持ライン追加
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