■米ドルを売る材料として「天候リスク、金融リスク」が浮上
■ここにきて米ドルを売る材料が「政治及び地政学リスク」だけでなく、「天候リスク、金融リスク」が加わったことで、簡単には米ドルが反転しづらくなっています。
米ドルを示すドルインデックスも2年半ぶりの安値をつけたことで、更なる売り圧力が掛かりやすくなるのではないかと見ています。
■200移動平均線に注目
週間足ベースのチャートでも中期重要ラインである200週移動平均線(8日現在:92.67)も完全に下抜けています。
昨年6月からの上昇トレンドに対するフィボナッチの50%(91.36)押しラインも下抜け、次のターゲット61.8%(88.41)になりそうです。
日足チャートにおいても、あっさりとこれまでのレンジ相場の下限レート108円を下抜け、新たな下落トレンドが始まった可能性があります。
その場合、意識すべきポイントは昨年6月の安値(99.08円)と12月高値(118.67円)に対する61.8%ライン(106.52円)になります。
■ここにきて上昇トレンドが顕著なユーロドルが、先週末、引値ベースで1.20ラインを上回りました。
材料的には大きなものはないものの、強いてあげるなら「資産縮小」というところです。
しかし、現実的にはまだ先の話なのですが、相場はいつのときでも先行して織り込むのが常識なだけに、次回のECB理事会までは、少なくても上昇トレンドが継続するのではないかとみています。
ただ、IMMユーロの買い持ちポジションが過去最大になる可能性があるので、オーバーシュートには警戒をしたい水準です。
■ユーロドルを横目にゴールドの上昇も顕著です。
トランプラリーの前の高値水準に迫る勢いで、もし昨年7月の高値(1371ドル)を上回るようであれば、中期的には持ち合い離れになり、中期上昇トレンド再開となりそうです。
それを裏付けるのが、ETF残高が急増しています。この示す意味とは、単なる北朝鮮リスクだけでなく、年末の米国の連邦債務上限問題、ECBの資産縮小とこれまでのトレンドが反転する恐れがあるだけに警戒は必要です。
今週は、北朝鮮情勢は引き続き警戒しながらの展開で、米経済指標(生産者物価指数・消費者物価指数)に注目したいです。いずれにしても北朝鮮問題が簡単には解決しないので、大きな流れは売り優勢になるのではないかとみています。