〜大きな流れと「目先」は分けて考える展開に〜
■昨夜は大きな材料が無かった中で、ここ最近の売りに対するポジション調整が加速しました。
しかし、大きな流れは依然として「戻り待ち」継続、但し、目先のオシレータも反発している様に、110円への視野が入りつつあります。
■未だ予断はできない状況下でのリスクオフについて
先週は、バルセロナテロ事件やバージニア州で発生した白人至上主義を巡る死傷事件、そしてトランプ政権運営が不透明とリスクオフの材料が目白押しの中でドル売りとなっています。
しかし、リスクオフを示すバロメーター「VIX指数(恐怖指数)」が週末終値で14.26ポイントとなっており、以前のチャイナショックやリーマンショックの時と比較すると比べ物にならない程の低空飛行であることがわかります。
これだけの北朝鮮情勢やトランプ政権、テロやデモがありながらも一向にVIX指数に関しては上がる気配すらみえません・・
やはり米国の経済成長がある程度見込まれる中では、本格的なリスクオフには入りづらいのも事実あること、また実際の米4-6月期GDPも2.6%と堅調な数値がでているので、結果的には米国頼みの世界経済といったところで、また最後の砦が「米国」という見方もできるのではないかとみています。
■そんな好調な米経済も先週の二つの景気指標に注目していました。
・フィラデルフィア連銀製造業景気指数…18.9(予想値:18.0)
・ミシガン大学消費者態度指数…97.6(予想値:94.0)
いずれも予想値よりも高い数値になっています。特に、週末のミシガン大学消費者態度指数に関しては1月以来の高水準になっているにも関わらず、先日は無反薄でした・・。
本当に好調なのか目を疑ってしまうほどの、先週末のトレードだったように思えます。
■それを裏付けるためには、やはり25日のジャクソンホールでのイエレン議長による講演が重要なポイントになりそうです。
更に同ホールでドラギ議長による講演も控えているのでイベントとしては見逃せません。
仮に、インフレ鈍化を示唆するような発言の場合、追加利上げ先送りからドル売りもありえるので警戒したいです。
また、最近のユーロ高をけん制するような発言が出た場合、ユーロ売りからも円買いが入るので、この辺りにも注意してみておきたいです。
そんなイベントが注目される中で、トランプ大統領の二つの助言組織を解散したことは、この先の経済政策遂行懸念が台頭するので、油断はできないのも事実です。
■テクニカルでは、下ヒゲをつけてレンジ相場にも見えるが・・・
週間足では、逆に上ヒゲ陽線となっています。やはり4月安値が意識されているのと、レンジを狙った安値拾いの買いが交差しているのが良くわかります。
ドルインデックスでは、週間足ベースで上ヒゲ陽線と後味の悪い展開となっています。更に中長期を示す200週移動平均線(18日現在:92.49)も接近しているので注意したいです。
もしこのラインを割り込むようであれば、ドル売り圧力も台頭するため、スタンスを変える必要がありそうです。