■先週までのレビュー 〜 今後の展開について
英国総選挙においても保守党が予想外の過半数割れとなり、EU離脱交渉に不透明感が出始め、景気を抑制させる材料から金融正常化が遅れる可能性も出てきました。
そんな中、ドル円も一時、109円前半まで下落する場面はあったものの、イベント通過したことから買い戻し優勢の展開で、何とか110円をキープして終了しています。
■今週の売買ポイントは?(ファンダメンタルズ)
〜今週のFOMC(米連邦公開市場委員会)におけるバランスシート縮小時期に注目〜
今週は何と言ってもFOMCに注目が集まります。追加利上げに関しては言うまでも無く、追加利上げはほぼ確実、1.0-1.25%となっています。
やはり注目は、バランスシートの行方が焦点となります。バラツキが目立ち始めた米経済指標やロシアゲート疑惑が長引き、トランプ政権による景気刺激策の遅れが懸念されているので、微妙な状況を鑑みれば、イエレン議長のコメントも時間軸まで言及できるかどうか?
もし、年内にバランスシート縮小をコメントするようであれば、追加利上げは一旦小休止する可能性が高く、ドルの上値も重くなるのではないかとみています。
〜新たな地政学リスクと原油価格急落がリスクオフを助長する可能性も〜
サウジアラビアをはじめとしたペルシャ湾岸諸国によるカタールとの国交断絶といった衝撃的な地政学リスクが再び、金融市場の負の連鎖を引き起こす可能性があるとみています。
昨年、OPEC主導の協調減産によって、1バレル50ドルの大台に価格上昇した
原油市場が、ここにきて大幅に急落しています。更に、米国やナイジェリアで原油生産が拡大しているので、供給過剰が解消できていないことも圧迫材料になっています。
これ以上原油価格が下落することになれば、OPECの足並みも崩れる可能性も否定できず、更に地政学リスクが台頭することで、リスクオフに傾きやすく、好調な米株式市場も原油売りやリスクオフが絡むことで、昨年初めの「負のスパイラル」に発展する可能性も頭の中にいれています。
■今週の売買ポイントは?(テクニカル分析)
〜ドル円チャートは、4月に空けたギャップは埋めても安心できない展開も〜
■ドル円チャートは4月後半に空けた109円台ギャップを今週、しっかりと窓埋めしたものの、依然としてハッキリとしたトレンドは出来ていません。
また、日足ベースの平均足改良版は「陽線転換」となっていますが、未だ実体部を上抜けが出来ていないことで、現状、三角持ち合いの中にいるといったイメージです。
先週末、200日移動平均線(9日現在:110.40円)は一時超えたものの、引値ベースではキープできていません。もちろん移動平均50日線(9日現在:111.06)も下回った状況です。
もちろん、三角持ち合いと見るならば、どこかの時点でトレンドは作るはずで
現状としては、材料待ちで構えたいのですが、そのブレイクポイントだけ下記に記載します。
・上値:6月2日高値 → 111.72円
・下値:6月7日安値 → 109.09円
■今週は、FOMC以外に日銀の金融政策決定会合も予定されているので、テーパリング報道にも注目したいです。
いずれにしても、「不透明」や「リスク」が数多く出始めたので、安易に押し目買いには注意が必要になっていることも視野に入れてトレードを心がけたいです。