中期的なトレンドの転換点
Sell In may という相場の格言はありますが、今月はそれとはまったく異なる強い相場だったと思います。
このような季節性に絡んだ相場のアノマリーというものは、他にもいろいろありますが、私はあまり何月が強いとか季節性のものは信じていません。
たとえば、何月が強いか統計を出したとしても、1年に1回のサンプルしかありませんから、50年分のデータを集めたところで50個という数少ないサンプルの中で優位性を出していることになります。
ただでさえ少ないサンプルの中で、50年も経ってしまうと、最新のデータと50年前のデータでは、時代も当時の状況も全く異なりますから、同列に扱えるものではありません。
Sell In Mayというのも「たまたま」そういうときが数年間続いただけで、過去にそうだったから今年もそうなるという関連性はほとんどないと思います。
都合のいいデータだけを抽出すると、あたかもそれが毎年起こっているアノマリーだと過信してしまうことがよくありますので注意しましょう。
そんな5月相場も終わり、来週からは6月に入ります。
6月相場は上がるか、下がるか、と気になるところかもしれませんが、6月の相場を50年のサンプルで上がった回数、下がった回数の統計を取って予測するということをしてもほとんどあてにはならないでしょう。
相場は時間的に連続して動いているので、直近1月から5月までの動きを分析して初めて6月、7月の相場の方向性がわかってきます。
5月の流れがこのまま続いて日経平均20000円、21000円、と上昇トレンドに突入!という見方が多いかもしれませんが、現実的には極めて難しいと考えています。
来週末が中期的なトレンドの転換点となるため、ここを境に再び下降トレンドが2か月ほど続きます。
6月相場でどんなに相場が強かったとしても上限は20100円くらいまでで、順当な相場なら19000円前後まで、弱ければ18500円くらい下まであってもおかしくはありません。
次の中期的なトレンドが買いに転換するのは8月半ばなので、それまでに何かしらの急落があってもおかしくはない流れに入っているので、ここからは買いより売り場探しという目線で見ています。
今週、騰落レシオが久しぶりに160を越えて下がってきている点も今の相場が天井圏に来ていることを示しているので注意して推移を見ていきましょう。