■先週までのレビューから
先週は、注目された各大統領選の結果、マクロン大統領や文新統領誕生で、政治及び地政学リスクが大幅に後退しました。また、FOMCで追加利上げ観測が高まり、リスクオンに拍車がかかり114円台まで大幅上昇する場面がありました。
しかし、米小売売上高の予想外の下振れやシカゴ連銀総裁の「インフレ見通しが不透明な場合、利上げは1回も」等の発言が嫌気され、ドル売りが進展し113円前半まで推し戻される格好となっています。
■今週の見通し…引き続きトランプリスクと北朝鮮リスクを考慮
ついにトランプ大統領がコミーFBI長官を解任に踏み切ったことで、民主党の反発は更に強まり、一部の共和党の議員も敵に回した可能性が高く、支持率は低下する一途となっています。
16日の非公開での公聴会での証言次第では、ヘルスケア法案や税制改革に対する審議が停滞する可能性も視野にいれる必要がありそうです。
更に、ロシア疑惑への関与も含め疑惑も否めない状況となり、完全に逆風の風が強まるばかりで、これまでのリスクオンのシナリオも全てリセットとなりかねない状況です。
■昨日は、北朝鮮による新型弾道ミサイル発射があり、これまで潜めていた地政学リスクが再燃する可能性も考え、買いポジションの数量には気を使う展開になりそうです。
■テクニカル面では・・・
週足の平均足(改良版)は陽線継続で推移しているため、押し目での買いは期待できるものの、未だ上昇力は乏しくドル円を取り巻くチャートやテクニカルは好転していますが予想を一気に1ドル115円突破という雰囲気が市場にはありません。
日足ベースのオシレータ系のほとんどは、下方となっており、目先は下値を試す方向で推移しそうですので、高値を追いかけてのスタンスではなく、押し目を拾う展開を考えています。
チャートやテクニカルだけで相場を読むのは、難しい時期に突入しているのではないかと感じており、日足や週間足に108円処に窓があります。これも何らかのシグナルではないかとみています。