◆来週は決算一巡で手がかりが少なくなる
週末の米国市場は、NYダウが4日続落、ナスダック指数が小幅反発で高安まちまちでした。
4月消費者物価指数や4月小売売上げ高などの経済指標が弱い結果だったため、株式市場の重石になるとともに、為替市場では6月の利上げ観測がやや後退してドル売りが優勢になりました。
週末の海外市場を織り込んだシカゴ日経先物は、-65円の19815円でしたから、週明けは円安一服を受けて続落のスタートになりそうです。
先週末の日経平均の5日線は19896円でしたので、週明けに続落すると2日連続で5日線を割り込みます。
4月19日に5日線をまたいでから続いた短期上昇がピークアウトしたサインと考えられるため、大幅上昇した過熱感を調整する動きになりそうです。
決算発表は先週末と来週の月曜日の発表でほぼ一巡し、来週は決算発表一巡で手がかりも少なくなりそうです。
また米国株は高値もみ合いで上値が重そうですし、ドル円も4週連続で1ドル=114円台まで円安が進んだ反動が出やすくなりそうなため、支援材料にはなりにくいと思われます。
これらの状況から大幅上昇の調整局面になる可能性が高そうですが、短期的に大きく下がる値幅調整よりは日柄調整になる想定です。
テクニカル的には25日線や75日線が下値目処となり、25日線が19006円、75日線が19164円でかなり離れていますから、大きく下がる値幅調整の可能性もあります。
しかしながら、先週末の日経平均EPSは1315.94円で、PER15倍が19739円まで切り上がっています。
日経平均のPERは、トランプラリーがスタートする直前の昨年10月以来、15倍を割れたことがありません。
企業業績の増益を織り込んで水準を上げたと考えると、過熱感があっても値幅調整にはなりにくいのではないかと思われます。
また、今回の上昇は、年初からなかなか抜けなかった19600円程度の高値をブレイクし、前回の高値抵抗がブレイクしたあとの下値サポートに変わる可能性もあります。
PERの水準と合わせて考えると、下値は19600円から19700円程度になるのではないかと思われます。