週足も陽線転換も視野に・・・
今週も注目するべきイベントが数多くあります。
・米雇用統計(10日)
・ECB定例理事会(9日)
・全国人民代表大会(5日から10日間)
■まず、雇用統計に関しては、非農業部門雇用者数が前回発表の22.7万人から18.5万人に減少予想、失業率は4.7%に減少見通しで、事前の予想値通りならば、追加利上げをサポートする要因になると見ています。
しかし、一番注目したいのは、「平均時給」です。前回発表の前年度比も大きく落ち込んでいることも気がかりです。
また、イエレン議長の講演でも、FRBの目標達成も示しており、雇用に関しても平均18.7万人と完全雇用に近い状態になっていることは利上げに対する妥当性が伺えます。
米金利先物市場での利上げ確率は96%まで上昇していることもドル円をサポートする要因になっていますが、最近の動きを見る限り、既に3月の追加利上げを織り込んだ状態になっているので、仮に3月の追加利上げがあったとしてもサプライズ要素にはならず「事実で売る」ということも視野に入れる必要がありそうです。
■次に、ECB定例理事会では、基本は資産購入プログラムの延長なので「ユーロ売り」スタンスは変わらずとみています。
しかし、今後3年間の成長とインフレ見通しの発表があるのでその点に注目したいです。テープリング報道も囁かれる最近のユーロ情勢とメルケル首相の「ユーロは安すぎる」発言も気になるので、その転も考慮するとユーロの深追いは禁物と見ています。
また、オランダ選挙を控えポピュリズムの台頭が懸念され、更にフランス大統領選挙にまで影響を及ぼす恐れもあり、選挙リスクからの国債暴落、そしてユーロ圏崩壊と最悪のシナリオもあるので目が話せない状況です。
■IMMの日本円も年初来最低の売り持ちポジションとなっていることも、「米追加利上げ→ユーロリスク」にステージが移行しつつあります。選挙リスクからのリスク回避も決して大げさではありません。
■最後にドル円のテクニカルです。
日足チャートを見ると今年の1月半ばから形成している111円から116円のレンジですが、心理的にも115円は大きな節目になっています。
また、移動平均75日線、50日線がそれぞれ114円ミドルに集中しているので、このあたりも抵抗に感じやすい値位置とみています。
現水準(113円後半)は、週足ベースの平均足(改良版)の実体部を上抜けているため、この水準をキープするようであれば、日足と共に週足も陽線転換となり、押し目拾う展開も想定する必要があります。
しかし、今週113円をキープできない様だと、依然中期は戻り売り優勢となりそうです。