はやり、相場は大衆の反対を行くのか?
■今週はトランプ大統領による驚異的な税制改革案が発表される予定なのですが、週末のムニューシン財務長官が遅れを示唆したことで、やや先送り感が台頭しています。
また、その内容も期待するところはあるものの、時間の経過とともに期待感は失望の波にさらわれる可能性がありそうです。
■一方、NYダウは驚異的な税制改革に対する期待感から11連騰となっているものの、ドルは一向に強さが見えない状況になっています。
驚異的な税制改革の裏側では、来月15日の米国債務上限引き上げに対する期限問題が議会とのせめぎ合いになることもあるので、予断は許さない状況とみています。
〜ドルインデックスでは〜
2月15日高値101.75を抜けきれず、短期的なダブルトップを形成しています。
更に引け値ベースでは移動平均50日線が上値抵抗になっています。もう少し時間を広げると、昨年11月から見れば三尊天井にも見えます。このレンジ相場もいずれ解消すると思いますが、現状としては、100日移動平均線(100.36)がサポートライン。上値は101.75とみていいと思います。
■そんな米ドルの上値の重さを象徴しているのが、ゴールドです。
昨年の米大統領選以降、一貫して下落し続けたゴールドが、先週の1250ドル突破で戻り相場も完全に払拭し、1300ドルをターゲットに上値期待が広がりつつあります。この上昇の意味するところは、米ドルが弱いというものではなく、「不透明感」が価格を押し上げているのではないかとみています。
米財政刺激策に対する慎重さやFRBの大幅利上げに対する懐疑的な見方があります。
更にオランダやフランスの大統領選への警戒感、ギリシャのデフォルト懸念が再浮上したことでリスク回避の方向へ舵取りを変えている可能性があります。
■今週は、トランプ大統領による演説から期待感はあるものの、税制改革案の遅れは否めないため、ドル円は劣勢な状況を想定する必要もあります。
また、1日にはベージュブックの発表があるので来月のFOMCに対する追加利上げを見極めになるので注目はしたいです。
■最後に、ドル円のチャートでのポイントです。
平均足改良版は、週足は依然として「陰線継続」で中期は戻り売り優勢、そして日足は一時陽線に転換する可能性がありましたが、結局は陰線継のままですので、この流れが続き限りは、戻りを待って売りから入った方が利益機会は多くなっています。
また目先のサポートは、100日移動平均線( 111.73円)が目先のサポートラインになるとみています。※ここを割り込むとリスク増大の可能性