掉尾の一振はどうなった!?大納会前に不穏な雰囲気

\ あなたにピッタリの銘柄がみつかる /

みんかぶプレミアムを無料体験!

プランをみる

最新投稿日時:2016/12/29 15:00 - 「掉尾の一振はどうなった!?大納会前に不穏な雰囲気」(川島寛貴)

お知らせ

読み込みに失敗しました。

しばらくしてからもう一度お試しください。

重要なお知らせ すべて見る

掉尾の一振はどうなった!?大納会前に不穏な雰囲気

著者:川島寛貴
投稿:2016/12/29 15:00

大納会は急落?

いよいよ2016年も残り3日で終わろうとしています。

今週は※掉尾の一振(とうびのいっしん)として株価の上昇に期待が掛かったものの、皆が誰かが買うのを期待していた為、後から買う人がいなったのでしょうか。
NYダウが2万を前についに反落し、ドル円も昨晩から1円の円高となったことを背景に、反落してきております。

※株価が年末にかけて上昇するという株式相場の格言で、最終取引週を指されることが多い。
クリスマス休暇明けに、実質新年度明けとなった海外投資家が気合を入れて買ってくることから、NYダウ、ドル円が上昇し日経平均株価も吊られることが多く、また来年に向けた期待への商いが盛んになり上昇すること。

ちなみに、日経平均株価の過去20年の年末最終週の勝敗は17勝3敗。平均して250円程上昇しています。
直近では以下の通りで、それほど大きな上昇は見込めないのかなというところ。(最終週の高値-前週の終値)

2013円:+142円
2014年:-90円
2015年:+344円

ドル円をみると、昨日は※スポット取引の年内最終日であったために仲値に向けて強烈に上昇しました。欧州市場もそれなりに買われたようでしたが、118円を付ける勢いがなく実需のドル買いはゲームセット。
※約定日から2営業日後に受け渡が行われる外国為替取引。

ここ数年は、大納会で上げて大発会で下がるという傾向が強く出ていましたが、今年はそうはなりそうにありません。

NYダウの襲撃と中国指標

さて、気にしておきたいのが、米国株の動向。あくまで私の推測ですが、米国の金融機関はトランプ大統領の減税政策を期待し、来年の取引まで株式の売却を行わない様にしているのではないでしょうか。

そして、NYダウが2万ドルを付けそうで付けなかったのは、最終週になって2万を付けたところで売りが出てくるのは必須。「買いにいったら、2万を付けた瞬間に売りしか降ってこず負けてしまう。。」こういった心理が働き、むしろ”暗黙の了解”で、『誰も売るなよ』となり、高値での横ばい推移となっていたのかもしれません。

昨日NYダウは下落してしまいましたが、ここから米国の投資家が取ると考えられる売買戦略は、以下の3つではないでしょうか。

1.保有株の一部売却。
2.株式は売却せず、先物やオプションでヘッジ。
3.すべて利益確定。

個人的には、2のヘッジの動きが大きく出るのではと考えています。事実、今週からVIXはハッキリと上昇しています。

ここで有利な状況にあるのが、米国意外に拠点を置く投資家。米国勢が年内に利食えないのを良いことに、リスクオフポジションを仕込んだところで一気に売り仕掛ければ勝算が高くなります。こういった投機的な謎の急落の可能性も、考えておいた方が良さそうです。

こういったことから見えてくる年末年始の相場展開は、大納会に下落し年またぎにその勢いが加速し、大発会で下落がピークを迎えるのではないかということ。

また、年始に中国の製造業PMI(前回:50.9、予想:50.9)が発表されるというおまけつきです。

本記事執筆中にもドル円はFOMCで急騰したあとの安値116.70-80円を割り込んできており、不穏な空気が漂っております。116.50円を割り込んでしまうと、115円台まで一気に視界が開けてしまい、明日の日経平均の下落も必須。

そうなってしまうと、雪だるま式に相場は下落し、ドル円は年内に115円割れとなる可能性が浮上するでしょう。トランプ相場以降のドル円の最大下落幅は2円50銭程度ですので、そういった意味でも116.50円近辺は重要なポイントとなります。

ちなみに、アベノミクス相場でドル円が78円から103円まで上昇するまでの最大下落幅は4円程度でした。それを考えると、115円割れとなったところで上昇トレンドが終焉したと考えられません。

むしろ、115円割れでは買い下がっても良いのではないでしょうか。
川島寛貴
株式会社IEYASU 代表取締役
配信元: 達人の予想

みんかぶおすすめ