秋のジブリ祭り
今回のメールは、「ウィキリークス」から流れたものではなく、ヒラリー候補の側近フーマ・アベディン氏が夫(ウィナー元下院議員)と共有していたノートパソコンを、ウィナー元下院議員の「猥褻事件」をFBIが捜査していた最中に見つかったとされる。ロンドンのエクアドル大使館に滞在を続けるウィキリークス創設者のジュリアン・アサンジ容疑者のインターネット回線が切断された事や、トランプ候補の女性蔑視発言で、選挙戦の勝負はあったと見られていたが、ヒラリー候補の側近であるアベディンの夫が送った猥褻メールから再捜査を招くと言うヒラリー陣営にとっては想定外の事態が起きた格好だ。
投機資金は、「もしトラ」(もしもトランプが大統領になったら)懸念から、現金比率を高め、安全資産への金(GOLD)へ資金をシフトしている。年内の利上げ観測の高まりから買われていたドル円も、102円台まで反落。NYダウも6日続落だが、底打ち感は全くない状態だ。今晩は、恒例の雇用統計があるが、強気の内容となったとしてもザラバでの一時的な反応があるかもしれないが、ドル円の戻りは限定的、8日の大統領選挙待ちとなりやすいだろう。一方、弱気の内容となったり、株価下落などから金融市場でのリスク回避がさらに進むようなら、選挙前にも101円台があってもおかしくはない。
「ジブリの法則」を気にする方にとっては、何でこの時期に3週連続なんだ!との思いがあるかもしれないが、今月は、日テレで「秋のジブリ祭り」だ。
11月4日(金):トトロ
11月11日(金):紅の豚
11月18日(金):猫の恩返し
仮に、トトロが様子見で無事通過しても、8日の大統領選挙後のジブリ2週目は、豚が飛び跳ねる大荒れの可能性もあるだろう。ヒラリー候補が当選となっても大差でなければ、トランプ陣営から不正選挙・不正投票で異議申し立てがなされる可能性もあり、混迷が嫌気されるリスクは残ったままだ。「猫の恩返し」ならぬ「ヒラリーの恩返しで」リスクオンを期待する向きもあるが、選挙人獲得予想からは依然として有利なヒラリー候補が大統領になっても、不人気で信用がなく、健康問題・メール問題を抱える「政権基盤の弱い」大統領誕生では、リスクオンの動きは限られるだろう。年末にかけて「欧州問題」「地政学リスク」など波乱要因は山積みで、ヒラリー大統領誕生でも、簡単に年内利上げを実施できるか不透明なままなら、ドル円の戻りも限定的だろう。