国内外でまだ成長余地が見出される、前年比円高も好影響に
アイウエア専門ショップの店舗数は、国内直営店舗307店舗(16/8期出店26店舗、退店6店舗)、中国直営店舗が82店舗(出店30店舗、退店2店舗)、米国直営店舗1店舗(出退店なし)の合計390店舗となりました。
17/8期では、純増ベースで国内25店舗、中国35店舗、米国3店舗の合計453店舗とする計画で、中国での出店が勢いあり、同地域での展開に自信を持っている様子です。
16/8期の海外アイウエア事業売上の構成比は9.0%と規模は大きくないものの、前年に比べ50.8%の成長を遂げており、海外展開により収益基盤が拡大していくでしょう。国内メガネ小売市場は2016年3月以降弱含みで推移しているため、海外展開は事業のパイを大きくする重要なカギなのです。
同社は、SPAモデルによって低価格を実現しながらハイセンス・高機能メガネの流通で成功しました。販売本数が多いことを武器に世界最高品質のレンズを安く仕入れることができるスケールメリットを活かした「低価格・高品質」の製品づくりを実現しています。
2016/8期の売上高総利益率は前年より0.3pt改善し、74.8%と高水準で推移しています。
同社は調達コストのコントロールや商品値引きの抑制等を積極的に行ってきましたが、これに加え、前年より円高に推移していることも業績の下支えとなりそうです。
国内では、客層の拡大による成長余地が見出されます。
低価格だけど高機能・ハイセンスなメガネを提供する同社の客層は若者層が厚く、シニア層が薄い構造となっています。つまりシニア層向け商品の提供によって国内シェアを拡大することができる成長余地が見出されます。
それが老眼鏡「リーディンググラス」(読書用メガネ=老眼鏡)や遠近両用レンズの拡販、ロードサイド出店などの取り組みで、実際シニア層の比率は拡大し、2014/8期の10~15%から、2015/8期には15~20%となったといいます。
国内では若者を中心に高い認知度を有し、今後は付加価値製品の拡充や、シニア層まで購買層を拡大していく事などでオーガニック成長がのぞめると思います。
海外ではすでに中国で成功していながら今後は米国など市場開拓余地が豊富に残されているため、さらなる飛躍が期待できると思います。
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2016年8月期の業績は、
売上高が前年比13.5%増の461億8900万円、営業利益が2.8%増の36億9300万円、経常利益が3.6%増の36億400万円、純利益が4.1%増の19億8000万円、EPSが82.61円(前期79.35円)、配当金は9円増配の25.0円でした。
一方、2017年8月期の通期業績予想は、
売上高が前年比10.4%増の510億円、営業利益が30.3%増の48億円、経常利益が24.8%増の45億4円、純利益が31.3%増の26億円、EPSが108.44円の見通しで、配当金は8円増配の33.0円とする方針です。