NY株価に注意
9月上旬の急落後、一目均衡表の雲の中で、18000~18500ドルのレンジ内で推移しているが、週末以降、雲の厚みが薄くなる時間帯に入る。18000ドル前半の値位置だと、雲の中から下に落ち込む事となる。雲の厚みが薄くなる時は、雲が支持線としても抵抗線としても信頼性が落ち込む時間となるが、週末~週初にかけて、変化が起こりやすいと言われる雲のねじれも位置しており、要警戒だ。今週は、週足の一目均衡表でも雲のねじれが位置する時間帯だ。
19日(日本時間20日)には、米大統領選挙の第三回目TV討論会がある。ヒラリー候補優勢だが、ウィキリークスは討論会直前にヒラリー候補に関する重大なメールを公表するとしており、予断は許さない。特に、今年は英国のEU離脱を問う国民投票でも、先日行われたコロンビアの和平停戦を問う国民投票でも、世論調査もブックメーカーのオッズも大外れであった。
仮にトランプリスクが再浮上すると、リスク回避が高まろう。一方、ヒラリー候補優勢のままであれば、年内の利上げ観測の高まりからドルは買いで反応しそうだが、引き締めに対してのNY株式市場の耐性が問われる展開となろう。株価が崩れると、ドルの上値も限定的とならざるを得ないだろう。欧州リスクも中国リスクも解決した訳ではない。発表が本格化している米決算にも注意だ。既に、景気拡大局面が88ヶ月目となっており、景気サイクル的には日柄が経過すればするほど、NY株式市場の下値リスクは高まる。1950年以降の米リセッション局面を振り返って見ると、10回中5回が、米大統領選挙後1年以内に起きている。
ヒラリー大統領誕生となっても、リスクオン相場が長く大きく続く可能性は低いと見る。ジム・ロジャーズが言うように「トランプ勝利との差は、破綻までの時間の差でしかない」のかもしれない。
年内利上げ観測の高まりから、100円で支持されて105円手前まで反発したドル円だが、11月8日の米大統領選挙に向けて、史上最高値圏で保合いを続けているNY株式市場の動向がキーポイント。利上げ観測の高まりに対してNY株価が崩れなければ、200日移動平均線を試す流れも想定されるが、株価が大きく崩れると100―105円のレンジ下限を試す流れとなろう。