~ 小野山功が見通す「来週の株価材料」 ~
3連休明けの11日に日経平均株価は、約1ヵ月ぶりとなる17000円台を回復しましたが、買いの勢いは続きませんでした。
12日、13日と株価が下がった局面で、日銀による援護射撃(ETF買い)を期待する向きもありましたが、実施はされず。投資家心理に影を落としています。
■日銀買いは「市場への意志表明」
8月に購入金額を1回当たり700億円超に増額してから、TOPIXが前引けで0.4%超下げた日はいずれも買入れが実施されており、マイナス0.4%が発動要件とみられていました。
12日は0.45%下がったにも関わらず買い入れが見送られ、「あれ、買ってないの?」ということになったわけです。
一方、14日の大引け後、707億円の買い入れを実施したと発表されました。この発表も「あれ?」と首をかしげてしまいます。
14日のTOPIXの前引けの下げ幅は0.1%台。日経平均にいたっては上昇しており、これまでのルールに当てはまらないのです。
よもや、日銀の担当者が、その日の気分で買うか否かを決めるわけではないでしょうから、手の内を明かさないという市場への意思表明かもしれません…。
■週明けは米国に左右される
週明けは米国でIBM、インテルなどハイテク企業の決算が発表されます。ダウ平均の変動幅も大きくなることが予想されるため、米国発のニュースに日本株は左右されることになりそうです。
また、19日(日本時間の20日)には、最後となる第3回目の米大統領候補によるテレビ討論会が予定されており、こちらも無視するわけにはいきません。
これまでのテレビ討論は、政策論争は盛り上がらず、もっぱら相手候補の誹謗中傷に時間が割かれています。第3回目もビジョンが語られる場面が少ないとみられますが、外交がテーマになるため、日本たたき発言の有無を気にすることになるでしょう。
日本の金融政策が円安・ドル安を誘導しているとの批判が展開された場合、日本株には悪影響となる恐れがあります。
また、20日のECB定例理事会も関心を集めそうです。
5日には、米ブルームバーグ紙が「月額100億ユーロずつ買い入れを減らす案が浮上」と報じており、日本に先行して実施している量的緩和やマイナス金利など、金融政策の限界が意識される可能性があり、こちらも相場に水を差す要因になりやすいのではないかとみています。
小野山 功