■再び、目先は戻り売り
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■昨日は、レイバーデーのため米市場の動きは緩慢でした。また、アジアタイムでは、日銀の黒田総裁講演があり、今月の追加緩和の可能性を明確に示さなかったことで円買い優勢の展開となりました。
また、昨日は大手輸出企業(自動車)も想定レートを引き下げ、ドル売りを行ったとの情報も、円買いを誘っています。
■本日は、連休明けとサマーバケーション終了と参加者が通常に戻ったことで、それなりに動きが期待できるとみています。
また、最近の追加利上げを期待した円売りの巻き戻しが入っていますが、週末に発表があったCFTCの建玉状況をみれば、投機筋の円買いポジションが増加しているのである程度の清算があってもおかしくはないとみています。
■しかし、だからと言ってトレンドが完全に上昇トレンドになったかというと、少々疑問に感じます。
というのも、やはり世界経済は未だ、「不透明な局面」にいるからです。
現在は一時的に鎮静化していますが、このまま年末までいくことは無いとみています。下記は注目するポイントです。
・アメリカ大統領選…政権交代なのか‥?
・中国の海洋進出
・蔓延するテロ、ISの動向
・北朝鮮のミサイル発射問題
・英国離脱に向けた今後の動向とそれに対す景気下押し懸念
■また注目すべきポイントは、不確実性を狙った世界中のマネーが世界共通通貨である「ゴールド」に流れ込んでいます。
それを示すCFTC建玉報告が毎週末に発表されるわけですが、今年の6月から先物とオプションのファンドによる買い越し残高が1,000トンを超え、現在でも継続中です。
この1,000トンは買われすぎの水準で、一旦売られるのが通常の考え方なのですが、未だこの水準をキープしていることは、「リスクオフ」を想定しての動きと言えます。
■また、テクニカルでみても週間足ベースでは、6月のブレクジット時に移動平均200週線を突破し、現在でもこの移動平均線が下値抵抗線となっている状況と、1,300ドル割れ回避でしっかりとした相場展開となっています。
この金価格の底堅さこそが、世界の不確実性を象徴している証拠なのです。つまり、市場参加者は、いつでもリスクオフのスイッチを押す用意が出来ていると言う訳なのです。
その意味でも、ドル円の上値追いはかなり危険が伴うトレードとみています。まして、追加緩和期待で先食いした相場は、いずれ期待が失望に変わり、投げさせられる展開を想定しておく必要もあります。
■本日も売りを主体とした戻り売り、そしてブレイクした場合の逆指値戦略で対応したいと考えています。
戻り売り(指値)
4時間足ベースボリンジャーバンド
+1σ…103.75円
+2σ…104.00円
先週末高値…104.31円
ブレイク(逆指値)
昨日安値…103.13円
先週末安値…102.78円