天井を打った相場は、底を付けるまで安い
過去の米大統領選挙年のドル円傾向通り、レンジが収れんして、その後に大きな放れとなるか?
今月末には、ジャクソンホールでのイエレンFRB議長の講演会、9月に入れば雇用統計、FOMC(9/20-21:議長記者会見あり)などが控えるが、9月26日、10月9日、10月19日と大統領候補討論会が続く事で、市場の関心は米大統領選挙に向かい様子見ムードが高まる可能性。徐々に米大統領選挙目の利上げは困難との見方に収れんしていくのではないか?
足元ではトランプ氏の支持率が落ち込み、クリントン氏優位となっているが、11月の大統領選挙直前にウィキリークスやエドワード・ジョセフ・スノーデンなどから、ヒラリー氏の足を引っ張るような隠し玉が出てくる可能性は残ったままだ。また、いずれの候補が大統領に就任しても、オバマ政権と比べて円高ドル安政策を採ると思われ、保合い下放れの場合は90-95円水準が意識されそうだ。
史上最高値を更新したNY株式市場も、上げも下げも小幅な値動きで、団子天井を形成中にも見える。景気サイクル的には、いつ天井打ちをしてもおかしくない時間帯に入っており、米利上げ観測が高まりを見せると急落リスクが浮上するだろう。米証券取引委員会(SEC)から4~6月期末分の保有有価証券報告書「13F」が発表されたが、ジョージ・ソロス率いるソロス・ファンド・マネジメントは、S&P500に連動するETFのプット・オプションのポジションを、前期比で約2倍増としている。株価下落に備えたポジション取りだ。
「天井を打った相場は、底を付けるまで安い」の格言通り、2015年6月に天井を打ったドル円は、明確な底打ちが確認されるまでは、戻り売り基調が継続するだろう。