決算一巡で手控えムード、日銀のETF買い入れが下支え

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最新投稿日時:2016/08/05 19:07 - 「決算一巡で手控えムード、日銀のETF買い入れが下支え」(冨田康夫)

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決算一巡で手控えムード、日銀のETF買い入れが下支え

著者:冨田康夫
投稿:2016/08/05 19:07

来週の東京株式市場見通し

 来週の東京株式市場は、週後半に向けて4~6月期決算の発表が一巡することに加え、リオ五輪開催や企業のお盆休み期間に差し掛かることもあり、手掛かり材料難や市場参加者減少により、売り買いともに手控えムードが強まりそうだ。

 ただ、そのなかで日銀は4日に、前日の買い入れ額の合計に比べて約2倍の水準となる700億円超の上場投資信託(ETF)を買い入れたと発表しており、この買い入れ額拡大の存在が下支え要因となりそうだ。日経平均株価の想定レンジは1万5900~1万6700円とする。

 市場関係者からは「7月29日まで開催された日銀の金融政策決定会合で、ETFの買い入れ額を従来の年間3兆3000億円から同6兆円に倍増させると決めたことで、その動向に関心が集まるなか、日銀が4日にETFを707億円買い入れたと発表したことに“迅速な対応”との評価もある」との見方が出ていた。

 一方で、日本時間今夜発表される米7月の雇用統計にも左右されるが、外国為替市場での円高進行は引き続き大きなリスク要因として意識されそうで警戒が必要だ。1ドル=100円を超える円高ゾーンに突入した場合、1万5000円台での下値模索を強いられる可能性が高い。

5日の動意株

 ファーストリテイリング<9983>=3日続伸。
日銀によるETF買い入れ額が6兆円に拡大され、実際4日に707億円のETF買いが流入したことが判明した。ETF購入による影響が大きいのは日経平均採用の値がさ株とみられている。その代表株であるファーストリテは「日銀のETF買いで好影響が見込める」(市場関係者)との見方が出ている。また、7月のユニクロの既存店売上高は前年同月比18%増と好調。同社は単価上昇の一方、販売数量減少などが懸念されていたが、ここへきて採算改善に加え客数も増加に転じており、市場には「ユニクロ復活」に期待する見方も増えている。

 極楽湯<2340>=ストップ高と急伸。
同社が先月29日に発表した第1四半期(4~6月)決算は、連結営業利益が前年同期比2.1倍と4億7400万円と大幅増益だった。特に中国事業は前年同期比54%増と大幅増益となった。中国上海に海外2号店をオープンしたことなどが寄与している。17年3月期の連結営業利益は前期比45%増の6億5000万円が予想されている。株価は決算発表を機に上昇基調を強めているが、第1四半期時点での進捗率は38%に達しており、業績の上振れ期待も出ている様子だ。

 安川情報システム<2354>=後場に入ってストップ高。
同社はきょう、萩原電気<7467>とIoTソリューションの販売に関して業務提携したと発表。これが材料視されている。 安川情報はこの提携を通じて、東海地方での営業強化を図る方針。東海地方で工場内のシステムを提供している萩原電気と、上位システムから工場システムへの統合や、IoTを使った生産設備の見える化・故障予知を得意とする安川情報の協業により、トータルなシステム提案が可能になる。

 アイビー化粧品<4918>=ストップ高。
同社は4日取引終了後に、17年3月期通期の連結業績予想修正を発表。営業利益は従来の16~18億円のレンジから17~20億円(前期比2.7倍~3.2倍)に引き上げた。売上高予想も70~75億円のレンジから72~80億円(同39.4%~54.9%増)に増額修正。各種研修動員数や営業所増設が順調なほか、新製品「レッドパワーセラム」の予約が好調なことが業績の押し上げ要因となる。

 バンダイナムコホールディングス<7832>=大幅高。
同社は4日の取引終了後、第2四半期累計(4~9月)連結業績見通しについて、売上高を2750億円から2900億円(前年同期比6.3%増)へ、営業利益を230億円から320億円(同2.7%増)へ、純利益を165億円から240億円(同5.4%増)へ上方修正した。第1四半期に、ネットワークエンターテインメント事業の海外家庭用ゲームソフトが好調に推移したことに加え、「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」をはじめ国内外のネットワークコンテンツや、「ガールズ&パンツァー」シリーズの映像・音楽パッケージなどの映像音楽プロデュース事業が好調に推移したことが要因としている。

 光村印刷<7916>=急騰。
同社は4日取引終了後に、17年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。経常利益は1億4500万円(前年同期比2.8倍)となり、上半期計画(1億4000万円)を超過した。売上高は42億4200万円(同1.5%増)で着地。得意先のキャンペーン用チラシやPOPの売り上げが伸び、主力の印刷事業が拡大したことなどが寄与した。なお、上半期および通期の業績予想は従来計画を据え置いている。また、同日にレリーフ模様の偽造防止用印刷加工技術や、CNT(カーボンナノチューブ)透明導電膜をウェット方式で微細パターン加工する技術といった新規開発案件を発表したことも材料視されているようだ。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想

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