戻りの目処を試す流れ
週末のNYダウは急伸したが、雇用統計が強気だったからでなく、「早期利上げには踏み切れない=緩和状態が続く」との観測(期待)から上昇している側面も強く、株価上昇が継続性のあるものなのか、それともダマシとなるのか否かに注目したい。今週は、米国の主要企業の4-6月期決算発表が非鉄金属大手アルコアから始まる。決算の数字が良いと、米景気回復への信頼感から年内の利上げ期待再燃につながる可能性もあるだろう。
また、米連邦準備理事会(FRB)高官の発言が多く予定されており、現状認識がどうなのかが示されると動きが出てきそうだ。
本邦では参院選での与党勝利で、大規模景気対策期待や日銀による追加緩和期待も高まりやすい。週明けの東京時間でのドル円は、安倍晋三首相会見や、バーナンキ前FRB議長と黒田日銀総裁の会談とのヘッドラインに反応して急反発。雇用統計発表直後に付けた高値を上抜き、102円台を回復している。一目基準線の位置する103円半ば~心理的節目105円水準では、戻り売り圧力が高まりそうだが、下値リスクは100円水準を先週末に見た事で下げ一服の可能性もある。
今週は、米国や中国の景気指標と共に、イングランド銀行(英中銀)の金融政策委員会も注目される。市場では、7―9月期に1回の金融緩和が予想されているが、今回利下げとなれば英ポンド安が加速、クロス円の下落を通じた円高圧力には注意したい。英国の緩和姿勢次第では、ドル円は、週前半高・後半安パターンとなる可能性もあるだろう。