■金ETF残高も円買いを織り込んでいる状況
■先週末のNY市場では、独立記念日を控えて3連休となることや引き続き英離脱による不透明感が強いことから、安全資産とされる円買いが優勢の展開となりました。
英離脱ショックは各国中央銀行の対応もあって、収束の動きになっています。しかし、英国の次期首相選出やEUとの交渉も不透明にあることから、引き続き注視する必要があるとみています。
■今回の離脱ショックはギリシャショックと同じような影響が出るとみています。
ギリシャショックの場合は債務期限に迫られ、そのたびにリスク回避の動きが鮮明になりました。
今回の離脱ショックの場合も同様に、現首相の任期が9月ということもあって、材料としては相場には影響せず、10月になれば何らかの動きでリスク回避の動きになるとみています。
■今週は、英欧の話題から米国の政策スタンスに視点が移るとみています。
その意味では、週末の雇用統計は重要とみています。
しかし、それ以上に6日27時(日本時間)にFOMC議事録公表があるので、利上げに消極的な文言が入るのかに注目したいです。
そして、気になるのがIMMの通貨先物のファンドのポジション状況です。
ポンドは前週から比較すると、売り越しが約9,000枚減少しています。
ユーロに関してはほぼ変わらずとなっています。
しかし、円に関しては買い越しが7,500枚増加しています。
離脱ショックが収束しかかっているにも関わらず、円買いはしっかりとされているところをみれば、何らかのタイミングで再び円買い再開の可能性も否めないとみています。
■その裏付けとなりそうなのが、金ETF残高と金価格の動向が示しています。
金ETF残高(SPDRゴールド)は、前週比34.15トン増加の950.05トンとなっています。ちなみに先月1ヶ月で81.39トン増加しています。
この残高は、2013年7月以来の水準で、その時の金価格の動きは年末に向けて上昇し、1オンス1,450ドルとなっています。
つまり、英離脱ショックの不透明に加え、米国の政策スタンス変更、それによるリスク回避の円買いをすでに、金価格は織り込み始めている可能性が濃厚とみています。
■本日は、米国が独立記念日もあって、市場参加者が減少していることもあり、値動きは緩慢になるとみているので、利食いを早めた逆張りトレードを想定しています。以下は、ポイント価格となります。
上値ポイント
・4時間足ボリンジャーバンドセンター(102.71円)
・4時間足ボリンジャーバンド+1σ(102.93円)
・4時間足ボリンジャーバンド+2σ(103.16円)
下値ポイント
・4時間足ボリンジャーバンド-2σ(102.25円)
・4時間足ボリンジャーバンド-3σ(102.03円)