利益確定売りこなし上昇持続、原油価格の動向注視

来週の東京株式市場見通し

　来週の東京株式市場は、今週に日経平均株価が急上昇したことで、短期的な過熱感から利益確定の売りも想定される。ただ、中期的な視野に立てば、チャート面などから判断しても上昇トレンド復帰への流れは継続しそうだ。来週の日経平均株価の想定レンジは、１万６４００～１万７２００円とする。

　市場関係者からは「きょう日経平均は４日ぶりに反落したものの、下落幅は小幅にとどまった。終値は、きのう突破した７５日移動平均線（１万６８１９円＝１５日）を堅持しており、相場の強さをうかがわせる。ネックラインとなっている３月１４日の取引時間中高値（１万７２９１円）奪回への準備段階になるのではないか」との見方が出ていた。

　来週のポイントとして注目したいのが、米インテルに代表される米国企業の決算の本格化だ。また、１７日に開催される産油国会合で示される、増産凍結に向けた最終合意の内容が来週の原油価格や株式相場に影響を与えることになりそうだ。

15日の動意株

　プラッツ＜7813＞＝ストップ高。
１４日の取引終了後、役員持ち株会を設立すると発表しており、需給面への好影響を期待した買いが入っている。役員持ち株会の設立は、インサイダー取引を回避しつつ、役員が株式の継続的な取得と保有を通じて株主と株主価値を一層共有し、さらなる企業価値の向上を図ることが狙いという。株価の下支え要因となることが期待でき、安心感が働いているようだ。

　新内外綿＜3125＞＝後場急騰。
同社は１５日午前１１時４０分に、１６年３月期の連結業績予想の修正を発表。売上高については７２億円から６７億８５００万円（前の期比６．９％減）へ下方修正したが、営業利益は１億円から２億６５００万円（同５０．６％増）へ、純利益は４０００万円から１億３０００万円（同２０．４％増）へ上方修正、これを好感する動き。期後半からの有力な差別化商品の投入が功を奏した。

　キリン堂ホールディングス＜3194＞＝大幅反発。
同社は１４日の取引終了後、１７年２月期の連結業績予想を発表。売上高は１２０４億円（前期比６．６％増）、営業利益は２４億７０００万円（同４５．３％増）、純利益は１０億７０００万円（同２９．５％増）と大幅な増益を見込んでおり、これを好感した。既存店対策として、ポイントカード会員の加入促進と来店動機を高める効果的な販売促進や集客対策を推進。引き続き、ロードサイド郊外型店舗の出店を行うほか、都市型店舗の立ち上げなどにも取り組んでいく方針。

　レナウン＜3606＞＝続急騰。
同社が１４日の取引終了後に、１７年２月期の連結業績予想を発表しており、売上高７０５億円（前期比１．０％減）、営業利益７億円（同１９．３％増）、純利益７億円（同２５．４％増）と大幅増益を見込んでいることが好感されている。前期に続いて、一部高額品などの売り上げが堅調に推移する見通し。

　キャリアリンク＜6070＞＝大幅高で年初来高値を更新。
同社は１４日の取引終了後、５月３１日時点の株主に対して１対２株の株式分割を実施する、と発表したことが好感されている。効力発生日は６月１日。投資単位の引き下げによる株式の流動性向上と投資家層の拡大などを目的としている。

　Ｓ　ＦＯＯＤＳ＜2292＞＝続伸し年初来高値を更新。
同社は１４日の取引終了後、１７年２月期の連結業績予想を発表。売上高は３０００億円（前期比２３．７％増）、営業利益は９６億円（同１３．９％増）、純利益は５４億円（同６．２％増）と２ケタ増収増益を見込んでいることが好感されている。国内食肉では最上流の生産事業の強化を図りつつ、同社の扱う食肉のブランド力を生かした販売戦略を推進。輸入食肉では、昨年１２月にグループ化したＡＵＲＯＲＡＰＡＣＫＩＮＧ ＣＯＭＰＡＮＹの経営基盤の強化と「オーロラビーフ」ブランドの日本及びアジアでの普及に取り組んでいく。