ジャパンディスプレイ<6740>=後場急動意。
低位株物色人気が再燃するなか、底値買いの動きが観測される。同社はスマートフォン向けなどの高精細パネルで高い実績を持つ中小型液晶ディスプレーの大手メーカーで、有機ELディスプレー開発にも注力している。有機ELは自ら発光するため液晶バックライトが不要となり、スマートフォンでは一段の軽量・薄型化が可能となる。そのため、米アップルは来年にもiPhoneに有機ELディスプレーを採用する方針にあることが伝わっており、同分野へ経営の軸足を置くメーカーが増えている。
三洋工業<5958>=後場急伸。
同社は12日午後2時に、16年3月期の連結業績予想の修正を発表。売上高を280億円から285億円(前期比3.3%減)へ、営業利益を5億円から8億5000万円(同10.0%減)へ、純利益を4億円から6億5000万円(同25.9%減)へ上方修正した。耐震・震災復興関連商品が好調に推移し、主要原材料である鉄やアルミの価格低下も相まって、収益の改善が進んでいる。
船井電機<6839>=後場一段高。
同社はきょう、大阪大学大学院医学系研究科および同医学部附属病院と「研究・事業化連携の推進に関する協定書」を締結することで合意したことを明らかにした。健康・医療分野でのイノベーションの実現に向けた学術研究の振興と研究成果の事業化、社会活用の推進を図ることを主な目的としている。
小野薬品工業<4528>=急騰し上場来高値を更新。
同社は11日の取引終了後、抗がん剤「オプジーボ点滴静注20mg・100mg」の売上高実績と予想を発表。16年3月期の売上高は212億円となった。同薬の期初予想の売上高は効能・効果が悪性黒色腫のみで35億円としていたが、「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に対する効能・効果が追加承認されたことをなど踏まえ、結局212億円となった。17年3月期の「オプジーボ」の売上高は前期比5.9倍の1260億円と大幅な拡大を見込んでいる。この売り上げ予想の発表を経て、野村証券は11日、同社株の目標株価を5200円から6700円に引き上げている。
市進ホールディングス<4645>=一時ストップ高。
同社は11日取引終了後、16年2月期の連結業績予想の修正を発表。売上高を161億6100万円から163億2100万円(前期比2.7%減)へ、営業利益を2億2700万円から6億4900万円(同2.1倍)へ、最終損益を1億300万円から2億4200万円(前期は10億5300万円の赤字)へ上方修正したことが好感されている。前期は採算が計画以上に改善したことや不採算拠点の撤退などの経費構造の転換により継続的に利益の出せる体制が整ってきたことが要因としている。
ULSグループ<3798>=ストップ高。
同社は12日、傘下のウルシステムズが最先端技術で新たな金融サービスを創出する専門組織「FinTech推進室」を新設することを発表、これを好感する動き。このFinTech推進室は、ウルシステムズ社内の複数のコンサルティング本部を横断した組織。金融ドメインだけにとどまらず、情報通信や流通サービス、マーケティング、クラウドやIoT技術などさまざまな分野で知見を持つトップコンサルタントで構成。外部パートナーとも積極的に連携し、オープンイノベーションによる迅速なサービス創出を狙っていく方針。