1万6000円を挟み売り買い交錯、外部要因への過敏反応続く
明日の東京株式市場見通し
18日の東京株式市場は、引き続き
日経平均株価1万6000円を挟んで売り買いが交錯する展開が続きそうだ。海外株式相場をはじめ、外国為替市場、原油価格、地政学的リスクなど複数の外部要因に敏感に反応する地合いとなりそうだ。
市場関係者からは「きょうは、前日までの続伸で大幅上昇していたところに、円高進行で売りが出やすい市場環境にあった。そこに、“米国と台湾の当局者が、中国軍が南シナ海の島に地対空ミサイルを配備したのを確認と、米メディアが報じた”と市場に伝えられ、一時400円を超える下げ幅となるなど、外部要因に翻弄された」との見方が出ていた。
17日の東京株式市場は終始値動きの荒い展開。前場は
日経平均株価が前日比プラスで推移する場面もあったものの、後場に入ると売り優勢となりマイナス幅を広げる展開となった。
日経平均株価終値は、前日比218円07銭安の1万5836円36銭と3日ぶり反落した。
17日の動意株
阿波製紙<3896>=ストップ高。
きょう付の日経産業新聞で、「エンジンや車載バッテリーのケース、座席の骨格などに使う炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を開発し、量産体制が整った」と報じられたことから、業績への寄与を期待した買いが入っている。今年1月には既に発売を発表しており、記事によると、日本の複数の完成車メーカーや部品会社から問い合わせがあるという。また、5年後に年間10億円の事業に育てる計画としていることから、中期的な成長力強化につながりそうだ。
全国保証<7164>=後場頑強な値動きで3日続伸。
同社は全国の地銀や信用金庫などと連携して住宅ローン保証を展開、住宅市場の回復を追い風に業績は拡大基調。東海東京調査センターが16日付で同社株のレーティングを「アウトパフォーム」へ引き上げ、目標株価を3820円に設定している。同調査センターでは、同社の17年3月期業績について「引き続き成長ドライバーである大手金融機関との新規提携・利用促進効果に加えて、今般の日銀による金融緩和の効果(住宅ローン金利低下に伴う住宅需要誘発)、17 年4月に予定される消費税率引き上げ前の駆け込み需要が期待される」と指摘、これが株高を支援する格好となった。
ジャパンインベストメントアドバイザー<7172>=後場上げ幅を拡大。
午後1時ごろ、12日に発表した16年12月期業績では未定としていた今期配当について、上場後初となる中間4円、期末6円の年10円を実施すると発表しており、これを好材料視した買いが入っている。また、今後は、連結配当性向20%以上を目指すとしている。
群栄化学工業<4229>=大幅高。
同社は16日の取引終了後に自社株買いを発表しており、これを好材料視した買いが入っている。上限を200万株(発行済み株数の2.81%)、または5億円としており、取得期間は2月17日から5月16日まで。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するためとしている。
JAC Recruitment
<2124>=3連騰で4ケタ大台を回復。
対外資系に強みを持つ人材サービス会社で、紹介者の平均年収が同業他社の倍以上という高額案件の人材に特化していることで収益水準が高い。同社が16日取引終了後に発表した16年1月度の月次売上高(連結ベース)は12億8094万円で前年同月比40.2%増と高水準の伸びをみせた。目先はこれを好感する買いが株価を押し上げる格好となっている。
ラウンドワン<4680>=4日続伸。
いちよし経済研究所が16日付で投資判断「B」を継続しつつ、フェアバリューを470円から540円へ引き上げたことが好材料視されているようだ。米国子会社が足もとで上振れて推移しているほか、今後も順調な推移が予想されるとして、18年3月期の営業利益予想を57億4000万円から58億円へ引き上げたことが要因としている。
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