■「安全資産=日本円」から「日本円=投機対象」に・・・
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■先日のイエレンFRB議長の議会証言をきっかけに
一時、110円台まで円が急進しました。
■その注議会証言では・・・、
世界的な景気減速による需要減退観測や株式市場の
大幅下落に対して言及しています。
また、金融環境の引き締まりが長期化するようで
あれば、金融政策の変更についての検討やマイナス
金利導入の可能性についても確認されたことで
追加利上げ観測は大幅後退したようです。
■もし、3月利上げ見送りした場合、次の二つのことが
考えられます。
一つ目は、利上げ見送りで株式市場が安堵感から
安値拾いで反発し、リスク回避が抑制され一旦、
底値を形成するパターンです。
もう一つは、利上げできないほどの経済情勢や
金融環境であることが再確認され、再度リスク回避が
強まる見通しのパターンです。
この2つのパターンを考えると・・、
今のマーケットから考えれば後者の見方が強い
とみています。
■通常の金融マーケットの状況であれば、前者でも
おかしくないのですが、現在の冷え切ったマーケットでは
マイナス志向の回路を持った動きにしかならないと
みるのが妥当だと考えています。
■ドル円は、今月に入り、ボラティリティが急上昇
しています。
安全資産の対象として日本円の人気が高いようですが、
裏を返せばこのボラティリティの高さが投機の対象にも
なりかねない状況です。
現段階では「安全資産=日本円」が、いつの間にか
「日本円=投機対象」に変貌する可能性も否定できません。
■本日は、日銀の介入警戒感やチャート上で、下髭を
つけたことで、111円後半から112円台で推移とみています。
しかし、今夜注目の米国の小売売上高の結果次第では、
昨日安値の110.99円を再トライする可能性が
あるとみています。
■テクニカルでは、
4時間足ベースで上値ポイントとしてボリンジャーバンド-1σ
(112.60円)、一目均衡表転換線(113.10円)とみています。
下値ポイントに関しては、昨日の安値(110.99円)、
節目であり日銀の介入ラインともいわれている
110円とみています。
※本日のチャートは4時間足です。