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最新投稿日時:2016/02/02 21:06 - 「外部要因影響し神経質な展開、値固めの動きに期待も」(冨田康夫)

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外部要因影響し神経質な展開、値固めの動きに期待も

著者:冨田康夫
投稿:2016/02/02 21:06

明日の東京株式市場見通し

 3日の東京株式市場は、引き続き外国為替市場での円相場や原油先物価格の動きに左右される神経質な展開が予想される。ただ、きょうの日経平均株価が、25日移動平均線(1万7600円=2日)を堅持したことから、値固めの動きも期待できそうだ。

 市場参加者からは「日銀のマイナス金利導入で、収益悪化懸念からこれまで銀行セクターが売られていた。きょうも地銀は依然軟調だが、メガバンクにはやや下げ止まる兆しも出始めている。一方で、マイナス金利メリット株として買われていた不動産株などは落ち着きが出てきた。つまり、マイナス金利導入に伴う好悪材料が徐々に織り込まれているようだ」との見方が出ていた。

 2日の東京株式市場は、前場後半に急速に下落幅を縮小し、戻りをみせる場面があった。ところが、後場に入ると1ドル=120円台半ばまで円高・ドル安が進行したことに連動し、再び下げ幅が広がった。日経平均株価の終値は、前日比114円55銭安の1万7750円68銭と3日ぶりに反落した。ただ、東証1部の売買代金は、2兆9464億円と高水準を維持している。

2日の動意株

 日本ハム<2282>=急伸。
1日に発表された第3四半期(15年10~12月)の連結営業利益は、前年同期比9%減の198億円となり170億円前後の市場予想を上回ったことから、市場には「ポジティブな印象」との見方が浮上。加工事業や食肉事業などのセグメントが堅調であり、16年3月通期の業績予想には増額修正期待が出ている。SMBC日興証券では1日、同社株の投資評価「1」と目標株価3480円を継続。今3月期の連結営業利益は会社計画430億円に対し440億円を予想。17年3月期は460億円を見込んでいる。

 小野薬品工業<4528>=後場一段高。
同社は正午ごろに16年3月期の連結業績見通しについて、売上高を従来予想の1445億円から1560億円(前期比14.9%増)へ、営業利益を152億円から240億円(同62.2%増)へ上方修正しており、これを好感した買いが入っている。昨年12月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」に対する効能・効果追加を受けた抗悪性腫瘍剤「オプジーボ点滴静注」の売り上げが想定を上回ることが要因。また、治験薬経費の計上が一部翌期にずれ込むことなどにより研究開発費が前回予想を下回ることも寄与する見通しだ。

 日新製糖<2117>=一時ストップ高。
同社は午後1時ごろに、2月29日を基準日として1対3株の株式分割を実施すると発表。また同時に、17年3月期から配当方針を期末配当の年1回から、中間配当を行い年2回にするとしたほか、株主優待制度を導入し、毎年3月末時点の100株(1単元)以上保有の株主に対して、3年未満保有で1000円相当の自社製品を、3年以上で2000円相当の自社製品を贈呈するとあわせて発表しており、これら株主還元策も好感されているようだ。

 イーレックス<9517>=ストップ高。
同社が1日の取引終了後に発表した第3四半期累計(15年4~12月)連結決算は、売上高166億800万円(前年同期比34.2%増)、営業利益10億1000万円(同7.0%減)、最終利益6億6700万円(同15.1%増)となり、営業利益は減益に終わったが、10~12月では営業利益は5億3600万円と6割強の増益となっており、足もとの業績回復ぶりを評価した買いが入っている。電力小売部門の売上高が堅調に推移したことに加えて、仕入先からの仕入電力量の一部を縮減したことや、日本卸電力取引所からの仕入に切替えたことなどによる原価低減や販管費削減が寄与したという。

 フュートレック<2468>=ストップ高。
1日の取引終了後、16年3月期の連結業績見通しについて、売上高を従来予想の34億3000万円から38億4000万円(前期比60.8%増)へ、営業損益を1億1000万円の赤字から4億5000万円の黒字(前期1億9200万円の赤字)へ上方修正しており、これを好材料視した買いが入っている。昨年12月に音声認識技術に関するソフトウエアの利用許諾にかかる契約を締結したことで、利用許諾料を計上したことが要因という。

 カイオム・バイオサイエンス<4583>=ストップ高。
1日の取引終了後、開発中のTrop-2抗体に関する特許について、ニュージーランドにおける特許付与の決定通知を受領したと発表した。同特許は、乳がんや大腸がん、膵がん、前立腺がん、肺がんなど複数の固形がんで特異的に発現し、がん治療の標的分子として注目されている「ヒトTrop-2」を標的としたモノクローナル抗体に関するもの。現在、欧州を含む各国にて特許出願中で、これまで日本、米国、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアで特許が成立しているが、既に成立しているニュージーランド特許の分割出願により、同社の権利範囲がさらに拡大するという。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想

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