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トンネルを抜ける1つのテ

2021.11.10


 あっちは、トレードをチャット方式で習った。その期の受講生の全トレード添削があり、出席している門下生の提出トレードの添削が、含まれていた。

 毎回そこそこまとまった量があったからこそ、見えてくるものがあった。

当初は、師匠が褒めて伸ばすタイプだったため、自分の実力が華麗に上昇し、すぐに億をとれるトレーダーになれると錯覚した。   

 錯覚はしたが、自分の五感で確かめろ、手抜きするなよ死ぬぞ分野の仕事に就いていたため、そんなことは全然ないという現実をすぐに把握した。

当時の受講生の中で、あっちは一、二を争う知識なしだったが、現実だけは誰より掴んでいたと思う。

 

そもそも添削を希望するということは、稼げていないということだ。

利益は出せても、自分のやっているトレードがぐらついているから添削を希望する。

自分の期を終えて、次の期も受講していたころのあっちは、ぐらぐらゆらゆらしていたと思う。

そしてそれは、あっちだけではなかった。

何が、経験年数も知識もある門下生の足を引っぱっているのか? 

 真剣に、他人様のトレードを追体験しつづけて、わかったことがある。

 

 まず、短期トレードでは、資金を管理できなければ論外だということ。

そして、2つ以上の何かがあるときには、1つだけを選べる者が強い。今、稼げていないのなら、複数に手を出してもモノにはならないということだ。


さらに、1つだとカウントしていたものが、実は2つだったものがあり、あっちはここでつまづいて、樹海漂流をしていた。



(つづく)

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