【投資脳*海外株】涙のクリスマス、深センツリー産業が悲鳴①

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【投資脳*海外株】涙のクリスマス、深センツリー産業が悲鳴①

■みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下晃伸(きのした・てるのぶ)です。

■新興国に対する風当たりは、まだかなり厳しいものがあります。
昨日の米NYダウを見ると、新興国関連は軒並み下落を余儀なくされています。
なぜなら、新興国はいまだ「コンフィデンス・クライシス」
(信認の危機)に直面しているから。
その懸念を払しょくすべく、各国は躍起になっていますが、なかなか不安は解消されません。

そのため、新興国関連と呼ばれる企業群は世界中で株価パフォーマンスが芳しくありません。

例えば、Caterpillar Inc.(キャタピラー)。
21日発表した2008年7―9月期決算は、純利益が前年同期比6%減の8億6800万ドル(約880億円)と、5四半期ぶりに減益となりました。
22%増と堅調だったにもかかわらず、です。
海外の伸びが、全体の伸びを賄いきれなくなっているのです。
そのため、株価は、ここ数日の米NYダウが好調な中、逆行安を演じています。

※Caterpillar Inc. (Public, NYSE:CAT)
http://finance.google.com/finance?q=NYSE%3ACAT


■その他、昨日の米株価でいえば、新興国全体に投資を行う「EEM」や
ブラジル「EWZ」など新興国ピンポイントの株価も
大幅続落している点が気がかりといえるでしょう。

※iShares MSCI Emerging Markets Indx (ETF) (Public, NYSE:EEM)
http://finance.google.com/finance?q=eem

※iShares MSCI Brazil Index (ETF) (Public, NYSE:EWZ)
http://finance.google.com/finance?q=NYSE%3AEWZ


■アジア各国の新興国も例外ではありません。
まだしばらく投資家の不安が株価を乱高下させることでしょう。

しかし、こういう局面だからこそ、情報に密に接し、いつが底になるのか、
そして、反発する可能性はあるのか探っていく必要があります。

当面の懸念は「北米クリスマス商戦の行方」。
年末から年始にかけて、もう一段の下落の可能性は考えておく必要があります。
今回は、その点をアジアから俯瞰してみたいと思います。


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●【香港】涙のクリスマス、深センツリー産業が悲鳴[製造]
●【中国】フォードの中国販売、1~9月は大幅減速[車両]
●【韓国】自動車・電子業界で相次ぎ減産、金融危機の影響で[経済]

※ニュース提供/NNA(http://www.nna.jp/
著者により一部文章が削除、変更されるケースがございます。

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●【香港】涙のクリスマス、深センツリー産業が悲鳴[製造]

かつて世界市場のシェア8割を握っているとされた
深セン市のクリスマスツリー産業が苦境に立たされている。
最大手の生産停止をはじめ、
昨年には400社余りあったメーカーが290社まで減少した。
人民元高、生産コストの上昇を吸収できず、
新技術の開発や新市場の開拓にも活路を見いだせずに苦しむ姿は、
珠江デルタ企業の多くが直面する課題の縮図といえそうだ。

15日付大公報によると、深センでは今年に入り、
欧米市場に年間600万本を供給し同市生産量の3割を占めていた
世界最大のツリーメーカー、宝吉工芸品(深セン)有限公司が倒産。
同業メーカーの撤退や合併、移転などによる淘汰も相次いだ。
今年の生産量は全体で2割以上落ち込む見通しだ。

背景には、最低賃金の上昇、労働契約法、原材料費の高騰
などによるコスト上昇で、利益が大幅に圧縮されたことがある。
かつてはコンテナ1本当たり10%以上の利益率を見込めたが、
今年は3~5%程度。さらには人民元高が追い打ちを掛け、
輸出すればするほど損をするケースもある。

輸出価格は前年の10月に決めるのが慣例となっており、
その後の値上げ交渉は難しい。
老舗メーカーの宏裕工芸製品有限公司では今年3月にドイツから
追加発注が来たが、受ければ赤字になるため断らざるを得なかったという。

同市工芸美術協会の喩連生・副秘書長は「クリスマスツリーは
技術的な要素は低く、これまでは低コスト、低賃金だけに頼って利益を得てきた」と指摘する。
政府は低付加価値産業に対し
新技術の開発や内販拡大を進めるよう求めているが、
国内にほとんど市場がないクリスマスツリーの場合、
欧米への輸出に頼らざるを得ない。
残された道は、低コストの内陸地域や海外に工場を移転し、
細々と経営を続けていくのみだという。<深セン>

【木下コメント】
現在、最も心配なことは北米クリスマス商戦の行方。
昨日のナスダック総合株価指数もアップルやグーグル、
ヤフーなど消費関連とみなすことができる企業群が下落している。

※Apple Inc. (Public, NASDAQ:AAPL)
http://finance.google.com/finance?q=aapl 

※Yahoo! Inc. (Public, NASDAQ:YHOO)
http://finance.google.com/finance?q=yahoo 

※Google Inc. (Public, NASDAQ:GOOG)
http://finance.google.com/finance?q=NASDAQ%3AGOOG 

そこで飛び出した世界最大のクリスマスツリー会社の倒産。
70年代消費者のセンチメントが急激に落ちたタイミングでは、
米NYダウは「株式死の時代」と呼ばれるまで悪化した。
NYダウは500ドルから1000ドルを行ったり来たりするボックス相場となった。

今回のクリスマス商戦に期待は持てない。
直近の株価下落ですでに商戦の悪化を織り込んだという見方もあるが、
私はまだ織り込まれていないと考える。
消費関連、とりわけ北米関連への投資はまだ慎重な姿勢が求められる。

続きはこちら
http://minkabu.jp/blog/show/96101
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