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アクティビストが持つ半導体株



世界一の半導体企業はどこの国に存在するであろうか?すでに日本ではないのは周知である。韓国でもない。アメリカであろうか?それも過去のこととなった。正解は台湾である。台湾の台湾セミコンダクター(TSMC)が世界一の技術を持ち、世界一の設備投資を行う。先週、TSMCが決算発表を行った。設備投資額を上方修正し、2019年は140-150億ドル(1.5-1.6兆円)とした。従来の会社計画は100-110億ドルである。2020年も2019年と同程度としている。アメリカのインテルや韓国のサムスンの設備投資額が年間で1兆円程度なので、TSMCの設備投資額は世界の先端企業の設備投資額を大きく上回る。

なぜそのような大規模な設備投資が行えるのであろうか?それは世界の半導体企業がTSMCに発注をするからである。世界のテクノロジー企業で自社工場を持たないファブレス企業であるアップルやファーウェイ、AMDなどはTSMCに半導体の生産を委託している。そしてそのTSMCは今や世界で唯一、EUV光源を使い、回路の線幅7ナノや線幅5ナノの半導体を生産することができる企業である。線幅5ナノとは人の髪の毛の断面に2万本の線を引けるほどの驚異的な細さである。かつて世界の最先端と言われたインテルやサムスンもせいぜい10ナノ線幅が限界でTSMCには太刀打ちができない状況である。最先端の半導体製造技術があるので、ファブレス企業がTSMCに集中的に生産を委託している状況である。

そしてTSMCの活況は日本のテクノロジー企業に大きな恩恵を与える。TSMCの生産する最先端半導体には超高純度の素材の利用が必須である。トクヤマ(4043)が作る超高純度の多結晶シリコンや、信越化学(4043)やSUMCO(3436)が作る超高純度のシリコンウエハーが使われる。なにせ髪の毛に2万本の線幅である。TSMCの作る半導体には桁違いの高純度が求められる。TSMCが求める半導体製造装置も同様である。日本の半導体製造装置メーカーでは東京エレクトロン(8035)、スクリーン(7735)、荏原(6361)などに発注が向かおう。

TSMCに関連する企業でアクティビスト投資家の保有が確認される企業は荏原(6361)である。10月7日にアクティビストであるシルチェスターが発行済株式の5.08%の保有を報告した。また従来から企業に対してエンゲージメントに積極的なう、いちごアセットマネジメントも荏原の株式を5%以上保有している。アクティビスト投資家の保有が増えているので会社も株主に対する還元を意識する状況である。全ての投資家の皆様。半導体世界一の企業が台湾企業となりました。そして、それは日本企業に恩恵を与えます。その点に注目して投資されることをお勧めいたします。

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