単独では見えないことが、並べれば浮かび上がってくる場合がある。
例えば、インドの金需要。
これは前説明した通り、インド政府の政策により、
2014年頃から金の需要は下降傾向になってしまった。
これは以前投稿した金の需要のグラフ、特に金地金の需要を見れば一目瞭然だ。
https://s.minkabu.jp/blog/show/849497
ではその需要はどこに消えた?
「おとなしく貯金しているのでは?」
その可能性もなくはない。
だが、インド人はインフレ警戒もあって、
自国の通貨をあまり信用していない。
なので日本と異なり貯金に走る人はそれほど多くはないだろう。
また特にインドの結婚では、花嫁はアクセサリーで豪華に着飾る。
さすがにそこは現金では代用できない。
なので、金の需要が減ったならそれに変わるものの需要が出てくるだろう。
そこで、銀の登場だ。
シルバーサーベイ2017より、銀ジュエリーと銀製品について、
インドをはじめ、主な消費国をグラフにしてみた。
(なお銀地金の情報も欲しかったが、さすがになかったので断念した)
結果はご覧の通り。
金地金需要が減るのと入れ替わるように、2013年から銀ジュエリー、銀製品の需要が増加している。
(にしても、他国と比べて銀製品の需要が凄い…)
額面でみれば金地金の額をカバーできていないが、
おそらくこれは他のもの(宝石やプラチナなど)に流れたものと思われる。
なお、これまた残念がらプラチナ系金属サーベイには
インド需要のデータがなかったので、グラフは作れなかった(涙)
今後の貴金属の動向は、
インドが鍵を握っているのかもしれない。
もちろん、国際的な危機や情勢、景気に変動がなければの話だけれど。