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株のトラブルよろず相談所 第√2話

サブタイトル - ミステリアス・クリスマス -


「依頼人からの手紙を読むよ。『助けてください!。私は業務用アプリケーション開発を主体とする、小さな(非上場株式)会社を経営しています。従業員は5人ですが、全員がわが社の株主であり、出資者も兼ねております。ところが最近、社員の一人から株を売ったという話がありました。それで、他の社員にもたずねたところ、ほぼ全員に(匿名の人物から)株を売らないかという接触があったそうなんです。もう、すでに過半数近くの株が買われてしまいました。一体何を狙っているのかもわからず、ただただ不安です。』・・・という話なんだが、(調査の結果として、)この会社はいくつか有望そうな特許を持っているようだね。」
「あーあ。ボクが思うに、それって単にその会社が好きとかじゃないの?。」
「白田君、黄川君の意見についてどう思う?。」
「所長。クライアントの手紙だけでは詳細が不明です。敵対的な買収かどうか、まだ判断できません。買い手に聞いてみたらどうでしょうか?。」
「うーん。(匿名だそうだから、)そりゃ無理だろうけど、桃沢さんはどう思う?。」
「・・・。」
「(寝てるのか?。会議中に。)で、頼んでおいた追加調査はどうなってるんだい?、黄川君。」
「ええっと、ちょっと忘れてて・・・、ダカラ、今やってるんだ。」
「(オイオイ。会議室から電話で調査してるよ・・・。あり得ないぜ!。)うーん。じゃ、一応敵対的な意図あっての買収(hostile takeover)との想定で、みんなでクライアントへのアドバイスを考えよう。そういえば黒田君がいないな?。」
「はい所長。今朝、黒田は体調を崩していてズル・・・いや早退いたしました。」
「(またかよ!。前回のときは駅前の某遊戯施設で目撃されていたよなぁ。)了解。さてキミタチの意見は?。」
「んーと、トッキョとか売っちゃえばどーかナ。」
「(驚いた・・・起きてたのか?。それとも寝ながら喋ってるのか?。)みんな、桃沢さんの提案について意見は?。」
「ボクはべつにいいんじゃないかなーって思うケド。売ったお金で株を買い戻せばいいダケじゃん。」
「所長。それですと、特許の名義人によっては、会社の議決権が必要になるかも知れません。ワタクシとしては共同出資の会社なんだから、全員で辞職して、新たな会社を始めるほうが、よりオダヤカな方法ではないかと思います。」
「それは・・・さすがにマズいだろう。取引先にも迷惑だし、計画的な倒産で防衛とかアリエナイ。」
「じゃダメダメなジューギョーインばっか、ふやすのどうカナ。ギョーセキ悪化するから相手もイヤになるカモ。」
「(オイオイ・・・。不良債権を抱える的な対策かよ。オマエモナー。)うんうん、わかる、わかるよ。桃沢君。なかなかイイよねぇ。君ならではの提案だと思うよ(;´Д`A ```。でも、それだと自分たちもカナーリ困るんじゃない?。」
「じゃ自分たちもドッカ、ホカの会社のカブ、ゼンブ買ったらいーんだよ。買うのにお金がいるケド、自分のカイシャ株を増やせばイイだけだし。」
「ええっ!。(それって可能なのか?。株式の持ち合い的なナニカの亜種みたいな、・・・・というか概念的にはむしろポイズンビルに近い?。増株で相手をスクイーズアウトできる可能性もあるし。イヤイヤ、うーん、ハチャメチャだけど、防衛策としてなら、意外とアリかもだなぁ。)いやぁ、桃沢さんにしてはスルドイ意見だねぇ。泥沼で遊ぶみたいな対案だし、差止訴訟になるかもだけど、一応クライアントに提案してみるか。」

【そして・・・数日経過・・・】

「所長。例のクライアントからメールありました・・・。例の匿名の買収者の正体は彼の母親だったそうです。」
「ええっ、ナゼに?。」
「業績が絶好調なのに、自分の仲間達に気前よく株を渡してたのを、資産家の母親が心配して買い取ってたそうです。クリスマスプレゼントとして!。」
「ナルホド、わかった。(こっちの観点からすればヒドすぎる話だけど、まあ美談のハンチューかもなぁ。サンタクロースの正体が実は親だった、的な。)・・・うーん・・・。まあ、白田君!、メリー・・・、メリークリスマス!。」

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