セピア色の写真

[lopriderさん]

「その写真はどこでとったの？」

「ええっ。ひよっとして、自分の家を忘れた？（もう10年以上帰ってないし、コイツはあの頃赤ちゃんだったからなあ・・・。）」

「あ、なんか覚えてる。大きなサクラの木があった。よくうさぎさんと遊んだよねえ。」

「うーん。桜はあったけど、ホーランドロップイヤー（ラビット）は君の生まれる少し前に死んじゃってたんで・・・、それは前世の記憶じゃね。」

「そっか。ママに聞いてた話とごっちゃになってるのかなあ。でもなつかしいねえ。」

「うーん。でももう、あの家を手放そうと思ってさ。」

「なんで？」

「こちらに住んでもう長いし、あちらの家を管理しきれなくてね・・・。それに将来は人口が減るから土地の価値もすごく下がるだろうしねえ。」

「でも前にパパは、あそこはコンビニもスーパーも学校も病院も近所にあって、歩いて行けるから便利だって言ってたんじゃない？」

「便利だったけど、将来はどうかなあ。自動運転の実現は思ってるより早いと思うんだよ。それに買い物はネット通販やネットスーパーにシフトしていくだろうから、郊外の量販店とかも減るだろうしね。今後は在宅勤務が増えるだろうから、（駅近くが高かった）今までの土地価格なんかもかなり変わってしまうんじゃないかな。」

「でもネット通販は宅配業者がパンク寸前なんだって、誰かが言ってたよ。」

「そりゃね、そうさ。今後コンビニとか宅配とかすごく大変になるだろうね。人件費とか人材確保の面でね。これについてはロボット化するしか抜本的な解決策はないだろうなあ。」

「ロボットがそんなのできるのかなあ、本当に？。」

「多分ね。そのうちロボットが（そこの）ためてる宿題もやってくれるようになるかもよ。君の代わりに。」

「あっ・・・。」