ホンダと大同特殊鋼は、ハイブリッド車(HV)のモーター向けで、レアアース(希土類)の一種の重希土類を使わない磁石を実用化するそうです。
まず年内に発売する予定の新型ミニバン「フリード」に使い、駆動モーターへの採用は世界初とのことです。
中国に生産が偏る重希土類を用いない磁石を導入し、調達リスクを下げるようです。
大同特殊鋼の子会社が8月から岐阜県にある工場で、新磁石の量産を始め、ホンダは第1弾として新型フリードに搭載するハイブリッドシステムで実用化し、同システムを使うほかの新型車にも順次、採用するそうです。
HVなどを駆動する高出力のモーターは磁力が強い「ネオジム磁石」を使うのが主流ですが、高温に弱いため、重希土類のジスプロシウム、テルビウムを加え耐熱性を上げているそうです。
フリード程度の大きさの車に搭載するモーターに使う磁石は全体の7~8%に重希土類を使っているそうです。
大同特殊鋼は磁石の原料の組織を従来の10分の1に細かくし、ナノレベルで結晶の配置を調整し、耐熱性を改善したそうです。
ホンダはモーターの形状を見直し、新しい磁石の磁界の強さと方向が最適になるような設計を開発し、「耐熱性や出力、トルクが従来と同じぐらいの性能を達成した」(本田技術研究所)とのことです。
レアアースは2011年に中国の輸出規制によって高騰しており、ネオジムなど軽希土類はオーストラリアや北米などで生産が増えましたが、重希土類は中国に依然として偏在するそうです。
足元の価格は高騰前とほぼ同じ水準に下がりましたが、長期的に安定して磁石を調達するために重希土類の使用を減らす技術開発が求められていたそうです。
この磁石、いいですね。
7267:2,646円、 5471:382円