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【日本株週間展望】1万7000円挟み膠着

【日本株週間展望】1万7000円挟み膠着、日米金融会合後の為替を注視





3月3週(14ー18日)の日本株は、日経平均株価が1万7000円を挟み膠着しそうだ。日米中央銀行の政策決定会合が週前半に集中、投資家は積極的な売買を手掛けにくい。米国では小売、住宅関連統計の発表もあり、金融政策とともにドル・円相場に影響を及ぼす可能性がある。期末接近で2016年度業績の行方も注視され始め、為替動向には神経質にならざるを得ない。


日本株の2月急落の一因だった米景気の先行き懸念は薄れている。実際の統計数値と予想との乖離(かいり)を示すシティグループ経済サプライズ指数は直近でマイナス9.8と、昨年5月以来の悪さとなった2月4日のマイナス55.7からは大きく改善した。米国では15日に2月の小売売上高、16日に住宅着工件数と鉱工業生産、17日に景気先行総合指数が公表予定。15-16日には連邦公開市場委員会(FOMC)もあり、統計の堅調や連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の発言などを材料に為替がドル高・円安に振れれば、日本株の支援材料になる。


国内では14ー15日に日本銀行が金融政策決定会合を開く。エコノミスト40人を対象としたブルームバーグの調査では、今回緩和を行うと回答したのは5人、4月が11人、6月が8人、7月は11人と、全体の88%が7月までの実施を予想する。3月実施の見方は少数派だが、欧州中央銀行(ECB)が10日に追加緩和を実施、マイナス金利を拡大させる半面、民間銀行への長期資金供給も始める。市場では、同じくマイナス金利策を導入した日銀に対しても政策的連携を望む声は根強い。

第2週の日経平均株価は週間で0.5%安の1万6938円38銭と4週ぶりに反落。前週までの連騰反動や為替、原油動向をにらんだ持ち高整理の売りで週前半に調整色を強めた。後半は株価指数先物の特別清算値(SQ)算出に絡む売りが一巡、ECBによる流動性供給への評価も一部で加わり、持ち直した。



*T ≪市場関係者の見方≫●富国生命保険の山田一郎株式部長  中央銀行のイベントで相場は左右される。米国経済指標は2月は市場予想に対し悪かったが、足元では持ち直してきている。このような方向感では利上げの話も出てくるので、円安材料になっていくはずだ。FOMCで市場に悪影響を与えないイエレン議長からのコメントがあれば、日経平均は1万7500ー1万7600円まで動いてもおかしくはない。ECBの追加策について基本的にはポジティブだ。少なくとも量的金融緩和の拡大はリクイディティの供給になるので、リスク資産にとってはフェイバー(友好的)だ。


●東海東京調査センターの中井裕幸専務  一時期の米国経済のリセッションへの警戒は後退し、不安心理の打ち返しが出ている。ECBによる追加緩和策は中身は申し分なく、やっていることは間違いない。ただ、世界経済を大きく好転させるには金融政策のみでは限界がある。国際的な政策協調の必要性に迫られており、日本では補正予算など財政出動、消費税増税の先送り表明も必要だ。為替が1ドル=115円を超えてこないと、企業収益への不安感は消えない。円相場が膠着から抜け出さないと、株式市場もしばらく値固めせざるを得ない。


●第一生命保険・株式部の岩渕康哉部長  日経平均が1万7000円を超えると利食い売りが出てくるが、1万6500円を割り込んでまで売る雰囲気でもない。信託銀行の買い越しが続き、株価が下がれば買いも入ってくる。年度末は1万7000円程度を予想、そこから上はインパクトのある材料がないと難しい。日銀は今回の会合で動くことは難しいとみている。ETFの増額も相場が悪くなったときに行いたいと考えれば、今回は何も出てこない。7月の参院選に向け財政政策や成長戦略が新年度以降出てくるとみられ、内容によっては市場はポジティブに反応するだろう。




ブルームバーグ抜粋
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