kabukabumanさんのブログ
空売り比率が正常値に戻れば日経平均は目先の天井か
東京市場は9月30日から上昇パワーを感じる様になりましたが
原因は恐らくヘッジファンドのショートカバーだと考えています。
8月の暴落以降、空売り比率が異常に高いことは周知の事実ですが
価格規制のある空売り比率が、通常より10%程度上昇したことを考えると
ヘッジファンドや証券各社が相場の下落を想定していたか
もしくはヘッジファンドが故意に株価の下落を狙ったかの何れかだと思います。
ところで機関投資家が空売りを行う場合、アップティック・ルールが適用され
直前の取引価格より高い値段でしか売ることは出来ません(成行注文も不可)。
これが「価格規制あり」の空売りで
ヘッジファンドや証券会社などが、相場全体または個別銘柄の下落を想定して空売る場合は
この「価格規制あり」という執行条件が付きます。
因みに「価格規制なし」の空売りは以下の様なケースが該当します。
○つなぎ売り
○指数先物との裁定取引
○VWAP保証取引のヘッジ売り
○個人投資家の50単位までの信用売り など
では参考までに今年の空売り比率を、日経平均株価や空売り比率の節目を考慮して抜き出してみます。
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日付 ①空売り比率合計(%) ②価格規制あり (%) 日経平均株価終値(円)
1/5 36.2 28.4 17795(大発会)
1/14 37.2 27.8 16795(1月安値)
1/30 30.8 24.5 17674(1月高値)
2/3 33.8 26.0 17335(2月安値)
2/16 29.1 23.7 18004(年初来初の18000円台)
2/27 30.9 24.1 18797(2月高値)
3/4 31.3 24.5 18703(3月安値)
3/12 30.1 23.5 18991(19000円台にリーチ)
3/13 24.7 18.9 19254(年初来初の19000円台)
3/23 28.6 22.5 19754(3月高値)
4/1 36.2 25.3 19034(4月安値)
4/22 27.6 22.7 20133(年初来初の20000円台)
4/23 27.7 22.6 20187(4月高値)
5/7 34.9 27.0 19291(5月安値)
5/29 31.0 25.7 20563(5月高値)
6/18 38.4 28.7 19990(6月安値)
6/24 32.0 24.2 20868(年初来高値)
7/8 37.9 30.5 19737(7月安値、②が30%超え)
7/21 32.7 27.5 20841(7月高値)
8/10 35.0 28.1 20808(8月高値)
8/25 36.3 28.7 17806(8月安値)
8/26 39.2 30.2 18376(①が最高値、40%に接近)
8/27 39.8 33.2 18574(①②共に最高値)
9/1 41.1 34.6 18165(①が40%を突破)
9/2 40.7 33.6 18095(①が40%超え)
9/3 41.0 33.9 18182(①が40%超え)
9/4 41.6 34.1 17792(①が40%超え)
9/7 40.6 34.4 17860(①が40%超え)
9/8 41.3 33.6 17427(①が40%超え)
9/9 37.4 31.4 18770(9月高値、日経平均+1343円)
9/10 41.1 33.7 18299(①が40%超え)
9/11 35.4 28.2 18264(①②共に9月最低値)
9/14 42.4 34.2 17965(①②共に再び急増)
9/15 39.6 32.5 18026(ショートカバー)
9/16 37.7 32.7 18171(ショートカバー)
9/17 37.8 31.7 18432(ショートカバー)
9/18 41.0 35.6 18070(①が40%、②が35%超え)
9/24 38.6 32.1 17571(ショートカバー)
9/25 41.3 33.8 17880(①が40%超え)
9/28 40.9 35.3 17645(①が40%、②が35%超え)
9/29 43.4 36.5 16930(9月安値、空売り比率最高)
9/30 39.2 33.8 17388(ショートカバー)
10/1 37.9 32.1 17722(ショートカバー)
10/2 38.3 32.5 17725(ショートカバー+新規売り?)
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以上整理してみると、上昇トレンド中の空売り比率は概ね30%前後まで。
価格規制ありの空売り比率は25%程度が妥当ではないかと思われます。
一般的に空売り比率が30%を超えると買い戻され易いと言われますが
今年は大発会から比較的高い水準で推移しているため
35%を超えないと、急激な買い戻し(ショートカバー)は期待出来ない様な気がします。
恐らく海外勢から見て、今年の日経平均株価は割高に映っていた所為かも知れません。
因みに青字で表示した日は空売り比率の合計が高過ぎる(8/26以降は異常)ことに加え
価格規制ありの空売り比率も、通常より10%程度上昇しており
ヘッジファンドによる故意の売り崩しが疑われると思います。
また、空売り比率が正常値に戻ったところが日経平均の目先天井だと考えられるものの
最近は平均的に比率が高いため、30%以下(価格規制あり25%前後)が
必ずしも現時点に於ける正常値とは言えない可能性があります。
しかし常識的に考えて
空売り比率30%~35%、価格規制あり25%~30%辺りまで買い戻されても良いと思います。
これらは全て推測に過ぎませんが
ヘッジファンドは45日ルール該当日よりも前に換金を始めるのが普通なので
個人的には、もう暫く彼等のショートカバーが続くのではないかと考えています
そうなれば、一時的にせよ日経平均株価が18000円台を回復する場面もありそうです。
一方先週末のNY市場もショートカバーによる反発が考えられますが
弱い雇用統計を受け、年内利上げ観測が遠のいた現状で
日銀が追加緩和に踏み切る可能性はやや高まった様な気がします。
万一改造内閣発足後の具体的な経済政策+追加緩和を、政府・日銀が模索しているとすれば
FOMC(27~28日)の2日後に開かれる、今月2度目の日銀金融政策決定会合(10/30)に向け
株価は堅調に推移するのではないでしょうか。
何れにしても、日経平均株価が再び高値を目指すためには
政策と四半期決算がその鍵を握るのではないかと考えています。
これがまさに分析というものですね、僕なんか足元にも及びません。
勉強になる情報を発信してくださり、ありがとうございます(+^_^+)
このこと空売り、買い戻しする為にダウみたいに日経も下に再び落としてから上昇を狙ったりしないですか?
例えば、今週の金融会議の後など
空売りを解消する為には、先週末のダウみたいに日経も下に再び落としてから上昇を狙ったりしないですか?
鉄火丼さん こんばんは。
お褒めに与り大変恐縮ですが
余計な分析や検証までしたくなるのは私の性分で
投資に関する分析をしても
成果には全く繋がらないというオチがあるんです
恥ずかしくて、穴があったら入りたい
舞蹴さん こんばんは。
仰る通り、何となく18000超えは叩かれていた様に見えますね。
ここで日経平均のチャートに目を向けると
http://kabutan.jp/stock/chart?code=0000
8/26が一番底、9/8が二番底、そして9/29が三番底と解釈出来ます。
(それぞれの日に相当する空売り比率も極めて高い水準です)
だとすれば一番底と二番底の共通点は
何れも25日線を上回ることが出来なかったことなので
今回も25日線(18054円)が大いに意識されると思います。
因みに、空売りを解消するためにH・Fが一旦大きく落とす可能性ですが
CTAや欧州系のヘッジファンドに近いABNアムロのオプション手口から
その可能性を否定することは出来ません。(10/3の分析を参考にして下さい)
http://blog.livedoor.jp/sonytower/
ただもう一つの見方として
45日ルールを考えると、ヘッジファンドに時間的な余裕は僅かしかありません。
そうなると6日~7日に日銀金融政策決定会合が開かれ
このタイミングで追加緩和の決定は考え難いため
その辺りを突いてくる可能性は残されていると思います。
従って、東京市場は週明けの12日が休場なので
直近の要警戒日は、8日、9日が本命ではないでしょうか。
少なくともABNアムロのオプション手口は、10月中に一旦ドスンと落として
その後12月まで徐々に買い上がる作戦に見えますね。
一方G.Sは中立的なポジショニングを維持しているので
12月までは臨機応変に対応する姿勢だと思います。
ps:昨年意表を突いて追加緩和に踏み切った日銀だけに
「もしかして今回も?」という期待が若干持てるかも知れませんね。
あと気になるのが、8日から上海市場が開きます。
この1週間??は影響が受けやすい上海が休みだったので、落ち着いた動きでしたが、上海やSQが間近ということで、週末にもうひと波乱起きそうな気がします。
また誤解を生む文章が・・・
7日までの一週間??ですね・・・
そうした謙虚なところもお人柄の良さが出ていますよ!
また、ちょっとした質問にも毎回丁寧に回答なさっておられ、
本当に研究者肌で人格者なんだなぁと感心しきりです。
いつもありがとうございます(+^_^+)
舞蹴さん
上海市場の影響はありそうですが
同市場は参加者数の減少に加え
信用規制強化が9月にかなり進んだと思われるので
一時の様なジェットコースター相場は激減すると思います。
ですから影響があっても比較的軽微で済む様な気がしますし
やはり当面の関心事は日米の金融政策でしょう。
因みにヘッジファンドの介入には気を付けなくてはなりませんが
余り考え過ぎると術中に嵌ることになり
相場の波に乗り遅れかねません。
様子見に徹するのは最も安全な方法ですが、もし動くとすれば
リスクヘッジをしながら、好業績が期待出来る銘柄や
ノンバンク・不動産株などを買い
金融緩和に備えるという選択肢も有りだと考えています。
少なくとも先物の売買に集中するのはハイリスクだと思いますが。
鉄火丼さん 褒め過ぎです
ただ研究者肌の人は投資に向かないと思うんです。
そこはズバリ当たってます(^_^;)
しかも投資は腹の探り合い・騙し合い・競い合いの要素を有していますので
他人の迷惑を考えない自己中タイプほど適性だと考えています。
鉄火丼さんの褒め言葉で目が覚めました(◎▽◎)
今後は謙虚さを捨て
出来るだけ他人様から嫌われるよう精進したいと思います(^^;
目指せ、自己中!
日付 空売り比率合計(%) 価格規制あり(%) 日経平均株価終値(円)
10/5 36.9 31.7 18005
10/6 38.0 32.1 18186