女なのに、男のような名前。
ここからして、不思議な雰囲気が漂いはじめる。
短い文章なのに、
その表現の仕方には、美文調の雰囲気がある。
天候の描写とか、色使いがうまいからだろうか。
エイミー山田が手抜きだろそれって、よく怒ってる、ときどき出てくる体言止め。
でも、それがむしろ詩のような雰囲気を作っている。
へー、カワイイ顔して、そんなこと想像しちゃうんだー、
っていう、ちょっとしたグロい表現。
それが、桜庭一樹の心の底を、ホントウに覗いてしまったかのような、
痴漢的心理による萌えるような快感。
この最後の部分、
もしも書き手が三浦しをんだったら、それって成り立たない。
(あー、ゴメン、ゴメン、ホントのこと書いちゃったー)
ライトノベル出身の作家だと思って舐めてると、
オマエ火傷するぞ、って感じ。
★「ブルースカイ」
桜庭一樹著 ハヤカワ文庫 2011.4.15.発行 760円+税
古代のドイツ、未来のシンガポール、現在の鹿児島。
三カ所の舞台で展開するファンタジー。
設定や材料がいろいろ工夫されていて、オモロイ。
巻末には、参考にしたというノンフィクション的な書籍が並んでる。
TVでは、1時間に1冊ほどのペースで読書するのだと、
たしか語っていた。
トマス・ピンチョン「V.」的な展開だけれど、
あそこまでいじわるに複雑でなく、読みやすい。
そして、残酷なのになぜか爽やかな、ラストがイイ。
これを読んじゃうと、他の作品も知りたくなるだろう。
次は、「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」にしよっかな。。