kabukabumanさんのブログ
燃料電池車は成功するか?
経済産業省の燃料電池車実証試験データによれば
燃料電池車の平均的な燃費(水素消費量)は100km/kg。
つまり水素1kgで100km走れる計算だそうですが
水素1kgの販売価格は、岩谷産業が1100円、JX日石日鉱エネルギーは1000円(税抜き)ですから
仮に1050円とした場合、500km走行する時の燃料代は5250円になります。
一方、プリウスの燃費は20km/ℓ以上ですから
20km/ℓで計算すると、500km走行するために必要なガソリンの量は25ℓです。
そこで、燃料(ガソリン)代を140円/ℓで計算すると140円×25ℓ=3500円。
またガソリン代を150円としても、150円×25ℓ=3750円で済むことになります。
因みにガソリン代が140円であれば
燃費が13km/ℓのガソリン車と燃料電池車の燃費はほぼ一緒ということになり
これでは車両本体の価格や、燃料補給の利便性を考えると
燃料電池車でなければならない理由は何処にも見当たりません。
次にCO2排出の問題ですが
燃料電池車は走行中にCO2を出さない代わりに、燃料の製造段階でCO2を排出します。
◇水素を作るために水を電気分解すると25.5kgのCO2を排出➡1km当たり255g
◇ガソリンを1ℓ燃焼させると2320gのCO2を排出➡1km当たり232g(燃費10km/ℓの場合)
つまり走行中に限らなければ、CO2排出量に関しても燃料電池車が絶対的優位とは言えません。
そこで電気自動車の出番になる訳ですが
電気自動車の問題点は、フル充電でも走行距離はせいぜい150kmまでというのが実状で
スタンドで急速充電を行う場合、所要時間は30分かかります。
これに対してガソリンや水素の燃料補給は満タンでも数分で終わります。
そうなると、月間走行距離が300km(1日10km)程度なら、家庭で充電するだけでもOKですが
遠出する場合は全く実用的とは言えません。
ところが日立製作所が、400kmの連続走行が可能なリチウムイオン電池を開発し
2020年の実用化を目指しており
http://nge.jp/2014/11/21/post-88375
日産も同様のリチウムイオン電池を開発し、数年以内に実用化したい意向だと言われています。
http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0420141117beaq.html
そうなると水素自動車対電気自動車という構図も見えて来る訳で
トヨタの「MIRAI」が完全納車までmax2年かかる可能性が高いことを考えると
水素自動車が確固たる市民権を獲得するまで、時間はあまり残されていない様な気もします。
さらに空気と水で走行する空気アルミニウム電池自動車(ルノー・日産、フィナジー、アルコア)が
2017年にも市場に投入されるという噂もありますし
http://gigazine.net/news/20140614-phinergy-alcoa-electric-car/
インドのタタモーターズが発売している安価な空気自動車の行方も気になるところです。
http://www.ikedahayato.com/index.php/archives/13899
何れにしても、個人的な「未来カーのあるべき姿」は
小型の大容量バッテリーを搭載し、走行しながら充電可能な電気自動車だと思います。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1503/09/news096.html
しかし22世紀になると、地上を走る車は殆ど姿を消し
案外空中を車が行き交う、そんな風景に様変わりしているかも知れません。
まさに手塚治虫氏の漫画に描かれている未来都市を想像してしまいます。
そして、その頃になれば、トヨタの「MIRAI」は骨董品として
マニアの間で人気を集めていることでしょう。
chiko姉様こんばんは!
電気自動車はバッテリーの性能次第ですが
充電時間と走行距離の両方を同時に克服するのは難しいかも知れませんね。
個人的にはハイブリッドで充分だと思うのですが。。。
水素自動車は政策的な意図を感じます。
政策ならば、いっそ原子力自動車を作ったらどうでしょうね。
「ストロンチウムの排出を極限まで抑えました!」なんてキャッチフレーズで
絶対買いませんけどね^^