概況

[ヒロろんさん]

――――――――――――――――――――――――――――――――――∞
【１】ＮＹ市況　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊＊
――――――――――――――――――――――――――――――――――∞


□ダウ工業株　　　　　　
１８１３５.７２（＋　３８.８２）△０.２１％

□ナスダック　　　　　　　
４９８２.８１（＋　１５.６７）△０.３２％

□Ｓ＆Ｐ５００　　　　　　
２１０１.０４（＋　　２.５１）△０.１２％

□ダウ輸送株　　　　　　　
９００３.５７（－　１３.５４）▼０.１５％

□半導体株（ＳＯＸ）　　　　
７２０.２５（＋　　０.７１）△０.１０％

□ＮＹ原油先物（４月限）　　　
５０.７６（－　０.７７）

□ＮＹ　金先物（４月限）　
１１９６.２０（－　４.７０）

□バルチック海運指数　　　　
５６１　　 （＋　２）

□為替　　　　　　
（対ドル）１２０.１３（前日比０．３４円安）
　　　　　　　　
（対ユーロ）１３２.４８（前日比０．０９円安）

□ＣＭＥ日経２２５先物　
１８８５５（＋　９５）※大証先物比



　５日のＮＹ株式市場は、ＥＣＢの決定を好感して買いが優勢となり、主要指数は３日ぶりに反発しました。

　欧州中央銀行（ＥＣＢ）はこの日の理事会で、主要な政策金利を据え置き、国債を買い入れる量的金融緩和策を来週９日から開始することを決定。ドラギ総裁は理事会終了後の記者会見で、マイナス金利の国債も購入対象にすることを明らかにし、ＥＣＢの積極姿勢を好感して欧米の株式市場は買い優勢となり
ました。

　ただ、朝方発表の週間の新規失業保険申請件数が予想に反して増加し、１０～１２月期の米労働生産性指数（改定値）が速報値から下方修正され、１月の米製造業新規受注が予想外の減少となるなど、この日は冴えない経済指標の発表が相次いだことや雇用統計の発表を翌日に控え様子見ムードが強く、指数の上値は限定的でした。

　業種別では、公益（電力等）、金融、ヘルｽケア（医薬品等）等が上昇した一方、エネルギーや素材（資源、非鉄等）などが下げました。

　個別銘柄では、取引開始前に好決算を発表した会員制卸売大手のコストコが買われ、同様に好決算を発表した食品スーパー大手のクローガーが大幅高。バイオ製薬のファーマサイクリックスの買収を発表した医薬品大手アッヴィが下落した一方、ファーマサイクリックスが大幅高となり、他のバイオ医薬品株にも思惑買いが広がりました。

　冴えない決算を発表した税務申告代行サービスのＨ＆Ｒブロックや鉱山向け機械のジョイ・グローバルが下落。原油相場の下落を受けてエクソンモービルなどのエネルギー株も軟調な展開。１２インチ超の大画面タブレット「ｉＰａｄ」の生産に遅れが生じていると報じられたアップルが下落しました。

　ダウ構成銘柄では、ウォルマート、ＩＢＭ、ホームデポ、ナイキ、ジョンソン＆ジョンソンなどが上昇し、インテル、マクドナルド、ディズニー、エクソンモービルなどが下落しました。

　ＮＹ原油先物は反落。中国の成長率見通し引き下げで需要減が意識されました。金先物は４日続落。ＥＣＢの量的金融緩和で資金流入期待が下支えとなる一方、対ユーロでドル高が進行したことが重石となり、約１週間ぶりに１２００ドルを割り込んで取引を終了しました。バルチック海運指数（ＢＤＩ）は小幅ながら８日連続の上昇です。




――――――――――――――――――――――――――――――――――∞
【２】本日の注目点と話題　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊＊
――――――――――――――――――――――――――――――――――∞



　欧州中央銀行（ＥＣＢ）は５日の理事会で、国債を買い入れる量的金融緩和策を９日から開始することを決定しました。期限は来年９月までで、マイナス金利の国債も購入の対象にするとしています。また、ＥＣＢは２０１５年の物価上昇率見通しを昨年１２月時点の０．７％から０．０％に引き下げ、域内の成長率見通しについては１．０％から１．５％に上方修正しています。


　昨晩のＮＹ株式市場はＥＣＢの決定を好感して３日ぶりに反発。英ＦＴ指数と独ＤＡＸ指数は過去最高値を更新しました。

　ＣＭＥ日経２２５先物（円建て）は１万８８５５円と、昨日の東京市場の日経平均株価の終値１万８７５１円と比べ１００円ほど高い水準です。為替も１ドル＝１２０円台と、円安方向に振れています。



◎日経平均株価と上下の節目
　――――――――――――
　１万９０００円　心理的節目

　１万８９３９円　直近高値（３月２日）

　１万８７７９円　５日線

　１万８８５５円　ＣＭＥ日経先物

　１万８７５１円　昨日終値

　１万８６７０円　一目転換線

　１万８５００円　心理的節目



　昨日の東京市場は、日経平均が反発した一方、騰落レシオは５日連続の低下で過熱感は後退しつつあります。ＪＰＸ日経インデックス４００と東証株価指数（ＴＯＰＩＸ）揃って反発しています。

　個別銘柄では、三越伊勢丹（３０９９）が上場来高値を更新したほか、高島屋（８２３３）やＪフロント（３０８６）など、訪日ブームで活況を呈した百貨店株が軒並み高。観光客で賑わった東京ディズニーランド＆シーを運営するオリエンタルランド（４６６１）が上場来高値を更新。中国などアジア圏で人気のヤクルト（２２６７）も大幅高で上場来高値を更新。東レ（３４０２）や小野薬（４５２８）、藤田観光（９７２２）なども賑わいました。




　本日の予定は、

◎１月の景気動向指数速報（発表時刻１４：００）
　―――――――――――――――――――――
　景気動向指数（ＣＩ、２０２０年＝１００）は、複数の経済指標の動きを統合して算出される景気指標で、景気がどのくらいの強さで回復や後退しているのかを示します。

　景気の現状を示すのが一致指数で、１２月は前月比１．５ポイント上昇の１１０．７と２カ月ぶりに上昇、１月は小幅ながら伸びが加速し、１．６ポイント程度の上昇が見込まれています。

　数カ月先の景気を示す先行指数は、１２月が前月比１．９ポイント上昇の１０５．６で、１月は伸びが鈍化し０．３ポイント程度の上昇が予想されています。
　
　３カ月前と比べて改善した指標が占める割合を示すのがＤＩ（最高１００）で、１月一致指数ＤＩの予想値は７０．０％、先行指数ＤＩは６６．７％とともに前月から改善が見込まれています。


　また、本日は３月のＥＳＰフォーキャスト調査の発表があります。この調査は消費者物価や経済成長率に関して民間エコノミストの予測値を集計したもので、今後の景気動向を知る上で重要な手がかりとなります。９日（月）発表の１０～１２月期の国内総生産（ＧＤＰ）改定値に関しても、その前に発表される民間予測（ＥＳＰフォーキャスト調査）は重要な示唆を与えてくれます。



◎２月の米雇用統計（日本時間２２：３０）
　――――――――――――――――――
　米雇用統計の発表は今週一番の注目イベントです。前回１月の非農業部門の雇用者数は　前月比２５万７千人増と予想以上に増加し、失業率は５．７％で、景気拡大に伴い求職者が増加したため０．１％上昇しました。

　雇用市場の改善で利上げの前倒しが意識され金利が上昇したことが株式相場を圧迫し当日のダウは６０ドル安となっています。

　雇用者数の増加は景気回復を示唆する反面、利上げ時期の前倒しを意識させ、雇用者数の伸びが著しく縮小すれば景気鈍化を意識させると同時に金融緩和の長期化を連想させるという関係にあります。

　ちなみに、２月の雇用統計における非農業部門の雇用者数の増加数は２４万人程度と予想されており、失業率は５．６％と前月に比べ０．１％の低下が見込まれています。

　なお、米連邦準備理事会（ＦＲＢ）は雇用市場に関して、「量」を示す雇用者数と「質」を示す「平均時給」の両方に注目しています。前回１月の雇用統計では平均受給が前月に比べ０．５％アップしましたが、２月は０．２％程度の上昇に留まると予想されており、賃金の上昇が緩慢であればＦＲＢは利上げを急がないとの見方につながります。



◎本日の主な決算発表
　―――――――――
　１５：００　カナモト（９６７８）
　１６：００　日東製網（３５２４）


　その他のトピックとしては、ファミマとユニーが統合交渉、損保ＪＰ日本興亜が仏再保険に出資、シャープが再生ファンドに出資要請、金融庁が自己資本７％で新基準、リクルートが飲食店予約の独社買収、新車販売「アクア」２カ月連続首位、エーザイと米メルクが癌免疫療法で提携、積水ハ３期連続最高益、吉野家とすき家２月売上高減少、ダイユー８前期業績上方修正、ライオン海外利益拡大、ｇｕｍｉは４億円赤字、Ｒフィールド純利１３％増、クオール自社株取得枠設定、ビックカメラ子会社ＢＳ１１が１２日付で１部に指定替え、リンガハット売上高８カ月連続増、綜合臨床が大幅減益、ＪＩＮの２月売上高７％減、ＥＣＢ９日から国債買い入れ・・・等々。





◆今日の高島暦　

　＜ 相場の波動 ＞ 安値にあると急伸す　押し目買い良し

　＜相場高低判断＞ 保合いも安気配なり




――――――――――――――――――――――――――――――――――∞
【３】心に残る名言　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＊＊
――――――――――――――――――――――――――――――――――∞




　　　
　人間、欲のない人間になったらおしまいです。

　　　
　欲の出しすぎはよろしくないが、欲のなさすぎも困りものです。

　　　
　欲がないのは大変きれいに聞こえますが、

　　　
　その実、骨を折ることが嫌い、精を出すのが嫌いで、

　　　
　つまり、人間が怠け者の証拠です。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　王子製紙　藤原銀次郎