http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NI5ONW6TTDSM01.html
↑一部SとMという文字が入っているので自動的に伏せ字になってます(笑)みん株さん、エラい
最近、日銀は物価上昇(=景気上昇=名目経済成長)には賃金上昇が必要だと言い始めた。
これは、財政出動で景気が上がる、福祉バラマキで景気が上がる、と言うのと同様、多くの場合、間違いである。
それらがほとんど間違いになるのは、経済成長=経済規模(名目GDP)の拡大には通貨の増大が必要だからである。
通貨供給の増大という前提がなければ、賃金を上げても、財政出動をしても、福祉バラマキをやっても景気上昇はごく一時的になり、企業衰退(所得減少へ)、経済空洞化(地方衰退へ)、財政悪化(増税へ)を引き起こす。
通貨供給の増大=通貨価値の下落=物価上昇だから、物価上昇を伴わない景気上昇はまずない。
ごく短期の例外的事象はありうるが、それはあくまで短期的・例外的で、実際、歴史上もこうしたことはほとんどない。
それは、物価上昇=通貨価値の下落=通貨流動性の増大=リスクの減少=リスクテイクの増大=イノベーションの増大=実質経済成長、、だからでもある。
(リスクテイクの増大=収益率に占めるリスクウェイトの増大=投資収益率の増大=投資収
益率と労働収益率の格差拡大でもある。 これがPiketty、マルクスのデマと逆に階級消滅
や貧困解消につながるメカニズムは最近の日記に書いたとおり)。
ゆえに、ほとんどの場合、物価上昇、景気上昇(通貨流動性の増大)、経済拡大(実質GDP成長)、実質所得の増大(物価上昇を上回る所得増大)はリンクする。
で、それらを起こす根本は、中央銀行による通貨供給増大なのです。
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以上から、日銀の言ってること(物価上昇、景気上昇には賃金上昇を)がいかにハチャメチャか分かるでしょう。
安倍政権も日銀、黒田総裁の言いなりで同じようなことを言ってるが、通貨供給を十分増やさずに賃金上昇、とくにベース賃金の上昇を企業に強要するのは無茶で自爆的。
通貨供給が十分増えてないことは、物価上昇率が景気中立水準の2%にほど遠いことから明らか(増税影響を除くと現在、1%程度)
景気の弱さを企業賃上げの弱さに責任転嫁する日銀の意図は、自らの通貨供給不足を誤魔化すことにある。
これは、昨年2014に、増税での物価上昇、生活悪化を円安(=通貨価値下落=通貨供給増大)での物価上昇、生活悪化と誤魔化したのと同じ。
円安=通貨価値下落では、上に記したように、物価上昇と景気上昇が同時に起きるので生活苦にはならない。
このデマは、円安抑制世論を高めて、物価上昇、景気上昇、通貨供給を抑えるため。
つまり、日銀がデマを繰り返すのは、通貨供給を抑え、景気を抑えたいから。
そうするのは、景気抑制、税収抑制、財政悪化状態維持で、更なる増税(税率アップ)を進めたい財務官僚の意思があるから。
増税(税率アップ)は、役所の資金シェア増大であり、役所の支配力増大である。
しかし、市場原理が働かない役所に資金集中させれば経済成長は低下し、国民所得は伸び悩む。
役所栄えて国滅ぶ、となる。
この悪循環を変えるには、景気を良くする政治家を選び続けること、政治家には景気浮揚を求め続けバラマキは求めないこと(バラマキ増大は役所中心経済化、経済停滞になり、国民の本業所得を減らす。 バラマキをどんなに増やしても、本業所得>>バラマキ所得なのでバラマキ要求は常に自爆的)
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安倍政権は景気浮揚を追求しているが、経済知識が乏しいので、黒田日銀のサボりを見抜けず、2%のインフレ目標政策が1%インフレ政策(弱い景気を続ける政策)に化けている。
2014以降、安倍総理が外交、安保にかかり切りになり、財務官僚・日銀の監視をする代わりの政治家がいないので、こうした状況が補強されている。
この流れは2015も続くでしょう。
ただ、増税がない分、2015は2014よりは良い(ここ注意)。
10%増税年に1%インフレを維持する通貨供給が成されるか否かが、日本経済の中期マクロ分析の次の着目点。
その間、安倍政権の目覚め(黒田日銀のサボり見抜き)のポジサプはおそらく起きない。
長期マクロ分析では官高政低を変える制度変更が成されてないので(その逆をやりそうな政治家はわんさかいる)、1%インフレを超える金融政策はほとんどの期間で取られず、緩慢な経済空洞化の進行、低成長化の確定が起きるでしょう。
この見方は海外機関投資家もほぼ変わらないので(口には出さないが資金の動きから明白)、長期資金は日本にほとんど流入しないままで、日本の株式市場は投機的・短期的な個人投資家、海外ヘッジファンド主体のハイリスクローリターン市場になり、年金基金(GPIF)がそれを下支えする構図になっていく、、かも(--;