沖縄独立論の進展について

[まはいさん]

スコットランドから飛び火して良い迷惑ですが、沖縄県人会で対応を図る羽目になりました。
そこで、あちこち私見を投稿しておきます。

民主党の沖縄独立推進
「沖縄独立」は話としては面白いので、沖縄独立党の残党である"かりゆし"はたびたび地元でネタとして取り上げられてきました。

ツッコミどころ満載の面白い人という認識で、沖縄県民県人に屋良朝助は有名です。
有名ですが、長らく沖縄独立論者はUFO研究家と同じ程度の扱いでした。
ところが、喜納昌吉が民主党沖縄県連代表になって事態が変わりました。
喜納昌吉は、子どもが叔父に酒をねだる歌「ハイサイおじさん」のヒットでアーティストとしては成功しましたが、麻薬所持で刑務所に服役していた前科者です。
それでもアーティストとしては沖縄で人気があったため、民主党が参議院比例区に担ぎ出し、民主党沖縄県連代表にまで担ぎ上げたのが間違いでした。

もともと鳩山由紀夫の東アジア共同体研究所でアイヌ自治権と同調して荒唐無稽な沖縄独立論に染まっていた喜納昌吉ですが、自身の弁によると菅直人の後押しで沖縄独立を決意したそうです。
鳩山由紀夫、菅直人、喜納昌吉、３人の荒唐無稽な夢想家が出会ってしまったことが、巡り合わせの不幸でした。

喜納昌吉 沖縄県知事選出馬へ
次の県知事選に民主党沖縄県連が担ぎ上げようとしているのが喜納昌吉です。
彼が持論の沖縄独立論を振り回すことは自明です。
それでも民主党沖縄県連が喜納昌吉を担ぐのは、信用失墜した民主党には他に知名度の高い駒が無いからでしょう。
喜納昌吉が当選することは無いと沖縄県民の良識を信じています。
しかし、喜納昌吉が発言することで県外からの誤解を受けることは間違いありません。
死に体とはいえ、民主党の影響力のもとに喜納昌吉が野放しになっていることが現下の非常事態です。

日琉同祖論
４００年に及ぶ琉球国学の根本が日琉同祖論です。
喜納昌吉をはじめ、沖縄独立論者はまず日琉同祖論の全否定から議論に入ります。
「島津家と尚王家が清和源氏の血を分けた縁戚」という歴史捏造が明治維新までの日琉同祖論に含まれていたため、本土復帰後に生まれ育った若い世代にとって日琉同祖論の全否定はウケが良いです。
しかし、日琉同祖論の基礎理論は４００年前に国学者を総動員して研究された、言語・習俗などの比較研究にあります。
また、災害や疫病が多発する地勢にあって、単独では文明を維持できないことも立証しています。
これにより薩摩琉球国という概念枠で国政を運営し、琉球王国は最盛期を迎えました。
そして現在も日本国の一員として過去に経験の無い豊かさを享受しています。

本土復帰４２年
戦後のアメリカ占領下で沖縄自由民主党を除く各政党は揃って独立を指向していたそうです。
しかし、各政党が議論を重ね、最終的には最左派の社会大衆党を含む全ての政治勢力が本土復帰に動きました。
その主義の基礎が日琉同祖論の再研究だったそうです。
そのため、本土復帰当時の沖縄県民は日琉同祖論を熟知しており、当時は子どもだった私も後に当然のごとくに知ることとなりました。
しかし、時の経過と共に日琉同祖論の知識は薄れ、喜納昌吉のようなお祭り男に若者が靡いてしまうようになってしまったことを、反省しなくてはなりません。

沖縄は沖縄のもの
それが独立と限らないことは、スコットランドの例にも見るとおりです。
日琉同祖論は完全ではありませんが、４００年にもわたり自らの立脚点を研究し続けて来たことを、沖縄県人として誇りに思います。
我が祖先は、オランダの侵略に始まりアメリカの統治に至るまで、何度も自らの立脚点を議論し、全ての局面で日本を選びました。それが結論です。
残念なことに、日琉同祖論は沖縄からの視点であるため、日本政府は完全否定しています。
しかし、喜納昌吉をはじめ身内から日琉同祖論を全否定することは到底許せません。
更に、民主党が沖縄独立論者を煽ることに強く憤ります。