(略)
NHK出版からテキスト『和歌文学の世界』も発売されており、
教科書というより読み物としておもしろい。
第二シーズンに通底するテーマは、私なりに言葉にすると、
「現実とフィクションの円環構造」だろうか。
たとえば、ある風景を現実に見た(あるいは想像した)瞬間の感激が、
和歌という創作物となって迸る。
その和歌に心動かされた後世の人々は、詠まれた風景を現実に目にしたとき、
「ただの景色」とは思わず、
和歌という創作物のフィルターを通して風景を味わうことになる。
現実が創作物に、創作物が現実に、
相互に影響を及ぼしあい、侵食しあっているのだ。
なんとも刺激的だ。
私たちが生きる「現実」とは、創作物も込みの、
創作物に侵食された世界なのだ。
だからこそ、ひとの心と社会は豊かで複雑な様相を呈していると、
非常に得心がいく。
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★「読売新聞 2014.9.21.日曜日 12版」
本よみうり堂 ビタミンBook 三浦しをん より抜粋
9/17に紹介した読売新聞への電話内容だけど、
実はあれ、色々と計算をして、内容をかなり簡略化したものだ。
オイラの質問に対してくれた担当者は、
「もう、三浦しをんさんの記事が掲載されることはありません」
と、はっきりと言い切っていたのだ。
つまり、そこにはどこかからの圧力がかかって、
掲載を強引に打ち切っていたことを、暗にうかがわせるものだったのだ。
ところがそこへ、そういう力を覆すほどの、別の力が働いたようだ。
そのために急遽、三浦しをんの記事が復活したと思われる。
圧力がかかった原因は、
三浦しをんの「光」という小説内容にあると、オイラは踏んでいる。
その小説内容(と解釈)があっては都合の悪い連中による、圧力がかかったと予想される。
では、そういう力を覆したのは、いったい誰なのか?
いろいろと思い浮かぶのだが、ここでは敢えて触れまい。
この場を借りて、尽力してくれた方に御礼申し上げる。
彼女の記事が復活すれば、それでイイのだ。
もちろん、彼女の記事の復活がとても早かったので、
この話が、単なるオイラの妄想だと断じる人も多いかと思う。
だとしたらそれは、読売新聞の対応の素早さがもたらした戦略勝ちである。
どちらにしても、彼女の記事が復活すれば、それでイイのだ。
ブログと現実の円環構造。
世の中、まだまだ捨てたもんじゃないな。